船外で活動中の宇宙飛行士が宇宙ステーションから切り離されてしまった場合、どの程度の時間生存が可能なのだろうか。質問サイトQuoraに寄せられたこの疑問に、第10次国際宇宙ステーション(ISS)滞在ミッションで船長を務めたリロイ・チャオが答えた。 ISSから切り離されてしまうことは、船外活動を行う宇宙飛行士にとって悪夢と言えるシナリオだ。私も船外活動を行ったが、常に命綱を再確認するなど、自分が行うことすべてに最高レベルの注意を払っていた。映画「ゼロ・グラビティ」を観るとあの時の気持ちがよみがえる。 アメリカの宇宙服一式には、万が一切り離された場合のための小型推進装置が含まれている。限られた量だが窒素ガスが入っており、噴射してISSに戻れるようになっている。この装置を使って自力で戻るセルフレスキューの訓練も行う。ロシアの宇宙服にはそういった装置がないため、自分で対処することはできない。 以前は