東京・お茶の水戦争で夫を亡くした故・長谷川吉さんが始めた画廊喫茶「ミロ」。三島由紀夫も常連だった=東京都千代田区神田駿河台、長島一浩撮影 作詞家の山上路夫さん(74)が書いたヒット曲はモデルとなった場所がどこなのかが話題になり、いつのまにか情報が独り歩きしていることが少なくありません。1972年にガロが歌った「学生街の喫茶店」もその一つ。インターネット上の百科事典ウィキペディアでは、〈(舞台は)東京・御茶ノ水の明治大学付近にあった喫茶店『丘』とされる〉と、店まで特定されています。 山上さんはいたずらっぽく笑います。「『丘』は初めて聞きましたが、お茶の水だと『レモン』と言われることが多かったですね。早稲田もよく聞くし、京都や九州の店だと断言する人もいました」 詞を書くにあたり、具体的に参考にした店はないと言い切ります。ただ、旅先のパリで立ち寄ったカルチエラタンは題名に影響しました。学生街とい