■「影の銀行」「中国経済の危機」とはなにか?■ 日本メディアを眺めていると、「シャドーバンキングで中国バブル崩壊か!」的な見だしをあちらこちらで見かける。中国経済は明日にも崩壊しそうな盛り上がりである。記事「中国で短期金利が異常急騰、それでも中国政府が動かない理由とは」で取り上げた6月20日の上海インターバンク市場の金利急騰を引き金に、中国経済に対する懸念が高まったことに由来する。もっとも上海インターバンク市場の金利はその後急落し、3%代前半という平常値に復帰している。 中国経済の変調を受け、日本でにわかに脚光を浴びたのが「シャドーバンキング」(影の銀行)だ。山のような関連記事が発表されているが、その中には豪快すぎるミスリードが存在することも少なくない。 そんな記事もあるのならば、ごく初歩の初歩の「影の銀行」解説にもまだ需要はあるのではないかとの狙いから本記事を書いてみた。 ■「影の銀行」