友人のYは、ちょっと危ないなとは思ってた。仲間内の中でも「あいつはきっとホンモノのマゾヒストだ」って密かに噂されてた。 けど、さすがに「ちょっと布団で巻いて欲しいんだけど」と真剣に頼まれた時は、頭の中で盛大にパトランプが回ったよね。(これは! ガチで! ヤバいやつ!!)って。 私「え……何……布団……?」 Y「そう。それで俺をくるんで、縛って欲しい」 私「しば……?」 Y「ああ、何で縛ればいいんだろう……あ、延長コードとかでいいかな?」 私「え、私が? Yを? 縛るの?」 余程怪訝な顔をしてたと思う、いや、して当然だと思う。 いろはすをガブガブ飲んでいたYは、私の珍妙な顔を見てキョトンと返す。 Y「いや、何も本格的に筵(むしろ)でくるんでくれとは言ってないじゃん?」 私(え、簀巻きって筵でやるのが正式なの?) どこのマゾヒスト帝国の常識だよ。知らんよ。 断っておくけど、Yはただの友達だ。彼