クマムシを生んだ体節ダルマ落とし(2016.02.10) 緩歩動物門(クマムシとも呼ばれる)は, 有爪動物門と共に節足動物門に近縁な動物として知られています(3 者は合わせて汎節足動物上門を構成)。 しかしクマムシの体の作りは有爪動物や節足動物に比べて単純で,その進化的由来はよくわかっていませんでした。 Smith et al. (2016) はクマムシの Hox 遺伝子群を調べることで, 他の汎節足動物とクマムシの体節構造の対比に成功しました。 汎節足動物の体は体節の繰り返しでできています。 例えば節足動物は各体節に備わる付属肢を多様化させることで,より複雑な体制を実現しています。 一方でクマムシの体は頭部と 4 体節の胴体(それぞれ 1 対の脚を持つ)からなっています。 汎節足動物の祖先型を理解するためには各動物門の体節の相同関係を理解する必要がありますが, クマムシの体節の分子進化学