2009年10月に開催された第59回日本アレルギー学会秋季学術大会において、赤ちゃんの腸内細菌とアレルギー発症との関係について講演した中山二郎・九州大学准教授に聞いた。 生まれる前の胎児の腸内は、ほぼ無菌状態である。ところが、お母さんのおなかを出たときから、さまざまな細菌が入れ替わり立ち替わり口から入り込み、腸内に棲みついていくようになる。この新生児期の腸内細菌の状態「腸内フローラ」が、後のアレルギー発症に関係してくるという。 生後1カ月の乳児のお腹の細菌で差が出た 今回の中山准教授の研究は、厚生労働省免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業(2002~2006年度、主任研究者 白川太郎・元京都大学大学院医学研究科教授)の一環である。86名の乳幼児を対象とし、生後2カ月までの腸内細菌群と2歳までのアレルギー発症状況の追跡調査が行われた。その結果、生後1カ月の乳児の腸内細菌にバクテロイデス属が