『新約聖書・訳と註』 第6巻 公同書簡とヘブライ書 作品社 この巻の特色 (3) ヘブライ書 (3) ヘブライ書 第6巻に入れた文書の中で、もう一つ読むに価するのは、ヘブライ書です。 しかしこちらは、今となっては、あまりに古代色蒼然としていて、そのまま読んでもなかなかぴんとこない。 もはや我々には興味がない古代人の屁理屈を次々と並べ立てている古代人のドグマ遊び、と思えます。 事実、かなりな程度、そうです。 だから今ではあまり人気がない。 その結果、実はこの本に多くひそんでいる長所、魅力が、これまでなかなか読者に伝えられることがなかった。 もっとも、古代人の水準としては、これはこれで、知的水準、知的考察力という点で、非常に高い水準のものだった、 と言うことはできましょうけれども。 けれども、その水準の全体が、今となっては、あまりに古色蒼然としていて、どうもね、ということで