<発表のポイント> 東京大学総合研究博物館所蔵の古標本群から1928年に東京市場で水揚げされたノコギリエイ科魚類の標本を発見した。 日本のノコギリエイ科には2種が含まれていることが分かった。 16世紀にまで遡る徹底的な文献調査の結果、少なくとも1種は日本国内において絶滅していたことが明らかになった。 <発表概要> ノコギリエイ科はエイ類としては最も大型であり、最大全長は7 mにも達します。いずれの種も沿岸環境の悪化や乱獲により個体数が減少し、分布域の減少も懸念されるなど絶滅の危機に瀕しています。今回、琉球大学理学部海洋自然科学科生物系の小枝圭太助教による東京大学総合研究博物館動物部門に収蔵される魚類標本の包括的な整理・調査の過程において、1928年3月5日に東京市場にて水揚げされた九州西方の東シナ海産とみられるAnoxypristis cuspidata(読み:アノキシプリスティス カスピ