先週、本欄担当の鬼編集者、赤坂氏から原稿催促のメールが来たので、慌ててTech-On!のトップページを見たところ、そこには「ダイソン人気をどう崩す?」と書かれた、掃除機の特集記事が掲載されていた(右図)。それを見て、突然、ダイソン氏のことを本欄に書かなければならぬと思い立った。なぜならダイソン氏こそ、あっぱれな「技術馬鹿」だからである。念のため書くが、ここでは「技術馬鹿」を良い意味で使っている。 ジェームズ・ダイソン氏の名前を筆者が知ったのは、2004年6月のことであった。ある製造業の経営トップを取材したとき、取材後の雑談でこんなやりとりをした。 「見事なイノベーションの事例ってないでしょうか」 「うーん、テレビで見ただけだけれど、あの、イギリスの掃除機は凄いと思った。技術が斬新だし、デザインも強烈。そもそも掃除機という分野であれだけ画期的なものが、しかもイギリスから出てきたのが興味深い」
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