多数の人を無差別に狙った襲撃事件が相次いでいる。「人生がうまくいかない」「死刑になりたい」。自分の境遇に絶望し、破滅を望んで事件を起こしたケースも多いとみられるが、こうした他人を道連れにしようとする行為は「拡大自殺」とも呼ばれる。理不尽な事件を未然に防ぐため、また、被害を避けるためにできることはあるのだろうか。(時事ドットコム編集部 太田宇律)【特集】時事コム 大阪市北区の雑居ビルで25人が犠牲になった放火殺人事件の当日、騒然とする現場周辺=2021年12月17日午後、大阪市 ◇動機に「5つのパターン」 無差別殺傷事件を起こした人物の境遇や動機について、共通点を探った研究報告がある。2000~2010年に判決が確定した52人を対象に、法務総合研究所が犯行実態や背景をまとめた「無差別殺傷事犯に関する研究」だ。 研究によると、無差別事件を起こした52人のうち、犯行時の月収が20万円を超えていた