2月20日から1週間にわたって,通信業界を取り巻く環境変化を制度の面から解説してきた(携帯電話の免許,固定・携帯が融合するFMCの電話番号,光ファイバの開放義務,インターネットの接続ルール)。電力やガスなどと同様に「規制産業」である通信業界は,その監督官庁である総務省の政策で事業が大きく左右されるからだ。最終回となる今回は,通信そのものの在り方を問う竹中平蔵総務大臣や総務省の懇談会での議論を中心に検証していく。 「事実上の再々編」に乗り出すNTT まずは日本の通信そのものと言えるNTT(日本電信電話)の歴史を簡単に振り返りたい。NTTは1985年に日本電信電話公社の民営化で誕生した。その後,88年にNTTデータ通信(現在NTTデータ),92年にNTT移動通信網(同NTTドコモ)を分離している。99年には,NTT東西地域会社,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)の3社に分割・再編された。