日本経済の力強い回復を背景に,ITサービス業界が久しぶりの人不足に陥っている。特に顧客の引き合いが強く,大量の技術者の供給を求めているのが金融業界だ。 既に,金融機関がソリューションプロバイダ(システム・インテグレータ)の優秀な技術者を囲い込む動きも始まっているという。特定の技術者を指名して,プロジェクトがまだ始まる前の仕事がない段階から,ソリューションプロバイダと技術者を派遣させる契約を結んでしまうのだ。技術者を少々遊ばせてでも「拘束」することで,他社のプロジェクトに奪われないようにする手法であり,「期間契約」とも呼ばれる。 従来から,金融機関向けの大規模システム開発ではプロジェクトが収束した後も,バグ修正やトラブル対策に備えるべく,技術者を一定期間確保するための「期間契約」を結ぶことがしばしばあった。この契約が「金融不況を脱した今,久しぶりに技術者を囲い込む手段として復活した」(ソリュ