人ん家(ち)の台所を見るのが好きだ。 昔、知人の家の冷蔵庫を物色しては、ヒンシュク買ってた。今じゃ代わりに食器棚や調理道具を眺めては喜んでいる。機能性を追求すると自然と美しくなる好例だね。 本好きの知性が本棚に現れるように、料理上手の台所は使い手の人品を感じ取ることができる。使い込まれたほうろう鍋や、磨いで小ぶりになった包丁の年季にびびる。中華料理のプロは数ヶ月で鍋をダメにするというが、そういった暑苦しさは微塵もない。肩に力のはいらない、等身大の"こだわり"を見ていると、だんだんと口が緩む。 共通しているのは、「台所が生活の中心にある」ということ。風が通り、日が入り、そこから生活空間を一望できる場所、それが理想。もちろん住宅事情により、都合よくいかないかもしれないが、棚や配置に工夫を凝らしている(←その凝りかたも人それぞれで興味深い)。必要なときに、必要な道具やストックが手の届く、"ちょう