今回は本誌に寄稿する文章では珍しく個人的な話を書かせてもらいます。この間の週末、金曜と土曜に二日続けて「本屋で本を買った」話です。 それだけ? 基本的にはそれだけです。しかし、実はこれは私にとって稀なことで、前にそれをやったのがいつだったか思い出せませんし、次はいつになるか見当もつきません。二日続けてとなると、もしかするともうないかもと思ったりします。 何を大げさなと呆れられるでしょうか。本誌の読者は本好きの人が多いでしょうからなおさらですが、私の場合、リアル本屋——この表現もヘンですが、要はインターネット通販でなく実際の書店——で本を買うこと自体かなり少なくなっているのです。 地方の本屋で本を買うということ 正直に書くと、もう5年以上前から新品は、CDやDVDだとほぼ十割、本や雑誌も間違いなく九割方インターネット通販、つまりはAmazonで買っています。本にしろCDにしろ自室にいながらに