ドッグレースの世界では長い間、犬が電動のウサギを追いかけてきた。そして今、ラクダレースの世界で、ロボットのレーサーがラクダのサドルに腰をかけている。 誰かが技術力を誇示するためにこの電気仕掛けのジョッキーを開発したわけではない。 これまでカタールやアラブ首長国連邦などのペルシア湾沿岸諸国では、ラクダの手綱を引くのは少年たちの仕事だったが(ときには4歳くらいの幼い子供が乗っていたこともある)、このことに対し、世界中から非難が集まっていた。 そこに現れたのが、スイスのロボティクス企業K-Team。同社は2004年の初め頃から、ラクダレースの研究を始めた。そしてとうとう、同社の開発したレーシングロボットのKamelが、カタールの首都ドーハで行なわれた試走に成功したのである。AP通信社によると、Kamelとラクダのコンビが1.5マイル(約2.4キロメートル)の区間を走行する間にはじき出した最高スピ