若者の間でも誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」の深刻化が危惧されている。高齢者も含め孤独死につながる要因は経済的困窮や認知症など多岐にわたるが、生活を維持する意欲や能力を失う「セルフネグレクト」も背景にあるという。外部との関わりも断ってしまうなどし実態が顕在化しにくいのも実情だ。 セルフネグレクトは必要な治療やケアの拒否のほか、身体を清潔にしない、ネズミや害虫、家屋内にゴミや排泄物の放置などが例として挙げられ認知症で判断能力や意思決定能力が低下しているケースもあるという。 ニッセイ基礎研究所の平成23年の調査によると分析した孤立死事例の約80%が「セルフネグレクト」で、孤立死に至る大きなリスクを負う状態と示された。 死後、発見が遅れて遺体が腐敗すれば、死因が判然としない事例が増えるほか、不動産価値の下落、身寄りがない場合は葬儀の対応といった自治体の負担増加など、社会経済的な影響も指摘され