なぜ日本のアイドルは「完成」しないのか 日本ではいじられキャラでしかなかった宮崎の躍進を見ると、ボイストレーニングもろくにしない48グループの運営方針に疑問が湧く。 いくら「がんばり」と「成長」を売りとしていても、まともなレッスンをしない以上は成長の先にあるはずの「完成」を目指していないことになるからだ。 だが、そうした状況が長らく温存されてきたのは、秋元康の戦略であるのと同時に、ファンがそれを望んできたからでもある。 80年代、秋元康がおニャン子クラブで仕掛けたのは従来の「アイドル」概念の転覆だった。『夕やけニャンニャン』で毎週ひとりずつ素人の女の子が選ばれていき、翌週にはアイドルとして活躍していた。 仕掛ける側が「アイドル」とした瞬間にアイドルになる──秋元康がそうしたギョーカイの内幕を豪快に暴露した。そして、素人同然である女の子も視聴者に喝采をもって受け入れられた。 AKBに端を発す