民意こそ公益ではないのか-民主主義の本質に迫る問いかけに、司法は背を向けた。 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城(たまき)デニー知事が承認しないのは違法だとして、国が承認を求めた代執行訴訟の判決で、福岡高裁那覇支部は20日、国の訴えを認め知事に承認を命じた。 判決により、辺野古移設に強く反対する知事が設計変更を承認しなくても、国土交通相が承認を代執行できる。県の意思にかかわらず国は移設に向けた工事を進めることが可能となり、県は工事をストップさせる方策を事実上失った。辺野古移設を巡る国と県の対立は新たな段階に移る。 この裁判の主な争点は、知事が計画を承認しないことが「著しく公益を害する」と言えるかどうかだった。 国は「工事が遅れれば危険な普天間飛行場の固定化につながり、日米関係に悪影響を及ぼす」として「公益を害する」と主張した。一方、