ネットサーフィンしていたところ、#mayonezで「iphoneメールの文字化け対処法|解読方法・送信する際の防止方法は?」(2017年3月21日)という記事に行き当たった。ざっと読んでみたが、文字コードのことを全く理解せずに書かれた記事らしい。特に以下の部分。 なぜiPhoneメールが文字化けしてしまうと言うと、メールの文の文字はもともとサーバー側が英文だけを処理するようにできていて、日本語を送信する際には特殊な文字変換などを用いて送信されています。
鉄道博物館ライブラリーで『鉄道公報』をチェックしていたところ、第1312号(大正5年12月21日)のpp.1212-1213に「驛名假名文字及羅馬字ニ就テ」という注意事項を見つけた。ざっと読んでみたところ、駅名標や切符に使う仮名やローマ字を定めたものだった。ローマ字は完全にヘボン式で、「撥音m,p,b,ノ前ニハm其他ハnヲ用ユルコト」なんて但し書きがついている。つまり1916年12月21日のこの時点で、駅名標のローマ字はヘボン式に統一されたということだ。 しかし、だとすると、私(安岡孝一)が『NかMか』(漢字と文化, 第9号 (2006年11月), pp.5-8)に書いた 1927年4月20日,鉄道大臣に就任した小川平吉(1870-1942)は,この混乱に終止符を打つべく,同年7月2日付の達571号で,駅名標のローマ字を「ヘボン式」と定めた。実は同年4月7日の達296号で「ヘボン式」の採用
磯部佳宏の『「ローマ字のつづり方」をめぐって』(山口大學文學會志, 第61巻 (2011年2月), pp.71-81)を読んだのだが、あまりの脳天気さに頭が痛くなった。 漢字で「下関」「千葉」「津軽」「福岡」「富士」と板書し、配布した用紙にこれら5つの地名のローマ字による表記をもとめ、記入後回収した。調査に地名を選んだのは、現代の日本の社会においてローマ字表記がもっとも一般的に使用されるのは、前述のとおり、駅や道路標識などにおける地名表示であろうと思われるからである。今回の回答で問題とするのは、各地名に含まれる、「ヘボン式」と「日本式」とでつづりの異なる「シ」「チ」「ツ」「フ」「ジ」の5つの音節の表記法である。 (中略) 現在、日本人が実際にローマ字を目にする機会が多いのは、駅や道路標識などの地名表示であろう。これらは、主として外国人を対象としたものであろうが、それを記述するのは日本人であ
本日付で、私たち(安岡孝一・安岡素子)の『日本・中国・台湾・香港・韓国の常用漢字と漢字コード』(京都大学未踏科学研究ユニット・学知創生ユニット・人文科学研究所、2017年3月)が、無事に発行された。まずは、めでたい。 実は、この本は、私たちの『文字コードの世界』(東京電機大学出版局、1999年9月)の第5章「常用漢字と漢字コード」を、最新のものにアップデートしたい、という意図のもとに書かれた。なので、元々は「日本・中国・台湾・韓国」を予定していた。その後、執筆中に、香港を入れる必要性を感じたことから、いったんは「日本・中国・台湾・韓国・香港」としたのだが、どうも坐りが悪く、最終的に「日本・中国・台湾・香港・韓国」としたものである。表組も、最初は日中台韓だったものを、いったん日中台韓香にして、最後は日中台香韓に組み直した。 はずだったのだが、まだp.81に日中台韓香が残っている、との御指摘を
2017年2月24日・25日・26日の私(安岡孝一)の日記の読者から、#mayonezが新たな記事「A3の大きさはどのくらいか・A3の大きさ比較とA3の大きさのもの」(2017年2月28日)をまたもや発表した、との御連絡をいただいた。バカじゃないだろうか。 『A』は19世紀末に『オズワルド』という物理学者によって提案されたもので、ドイツの規格として世に広まりました。現在では国際規格サイズとなっており、一般的に使用されています。オズワルドは、面積が1平方メートルの『ルート長方形』を『A0』と定義としました。 何度でも尋ねるが、オズワルドって誰? 2016年8月22日の日記にも書いたが、A判を考案したのはFriedrich Wilhelm Ostwaldではないし、Ostwaldの読みはオストワルトが一般的だ。物理学者のオズワルドって誰?
2016年8月10日の日記の読者から、新たな元号は常用漢字表の範囲に収めるべきだ、との御意見をいただいた。いや、それ、私(安岡孝一)に言われても困るのだが、だとすると可能性があるのは「日愛」「才屋」「才及」「日音」「木奇」「口因」「食欠」「音員」「口貝」「日央」「言永」「馬尺」「豊色」「日王」「木黄」「小意」「月意」「力口」「女家」「革化」「言果」「虫文」「食我」「小毎」「木戒」「糸会」「土鬼」「木皆」「言皆」「小既」「木既」「木市」「才広」「木各」「車交」「口赤赤」「才舌」「車害」「金兼」「月干」「甚力」「土甚」「木官」「小貫」「小感」「食官」「舟監」「金監」「王元」「山支」「糸己」「車九」「言己」「走己」「夫見」「才軍」「光軍」「木幾」「馬奇」「才支」「才疑」「牛義」「言義」「口契」「言吉」「月却」「口及」「糸及」「王求」「糸合」「才巨」「才処」「言牛」「足巨」「口今」「馬区」「才屈」
昨日の日記の読者から、『新訂 ワークブック法制執務』(ぎょうせい)を読むべき、との御連絡をいただいた。さっそく京都大学附属図書館に降りてきて、5版(平成26年2月25日発行)を読んでみたところ、問87(pp.210-211)に、法令の号を細分する方法が書かれていた。 問87 号を更に細分する場合には、どのようにするのか。 答 号は、「一、二、三……」と号名を漢数字で表すが、号の中を更に細分して列記するときは、まず、「イ、ロ、ハ……」を用いる。これを更に細分して列記するときには、「⑴、⑵、⑶……」を用いた例、「㈠、㈡、㈢……」を用いた例があるが、現在では、「⑴、⑵、⑶……」を用いることに統一されている。これを更に細分して、「(i)、(ii)、(iii)、………」を用いて列記した次のような例もある。 なお、連続する四以上の号の細分〈問87 参照〉を繰り下げる場合については、従前は一括して繰下げ
■10年以上も続いたコント番組は2つだけ! コントだけで構成する番組にとって、10年以上続けるというのは至難の技。 ・『8時だヨ!全員集合』(TBS、1969~1985年)16年間 ・『ドリフ大爆笑』(フジ、1977~2003年、98年以降は総集編など不定期放送)26年間 なんと、この2番組しかありませんでした。国民的なお笑いグループ、ザ・ドリフターズがどれほど偉大なことを成し遂げていたかがわかります。 『オレたちひょうきん族』(フジ、1989年終了)でも8年間、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジ、1997年終了)だって8年間、ネタ見せバラエティーともいえますが『エンタの神様』(日本テレビ、2010年終了、以降特別版あり)も7年間しか続いていないのですから。 私(安岡孝一)個人としては、まずは『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ、1961~1972年)が浮かぶのだが、ハナ肇とクレージーキ
ただ、『よしもと新喜劇』は、以前は『花月爆笑劇場』だったし、その前は『日曜お笑い劇場』だった覚えがあるので、番組名だけ見るなら、どのあたりで「10年以上」を満たしてるのかチェックする必要があるだろう。 そこで、『京都新聞』の縮刷版やマイクロフィルムを駆使して、テレビ番組欄の「毎日放送」をざっとチェックしてみた。チェックした結果、『よしもと新喜劇』の番組名は、以下のように変遷してきたと考えられる。 『寄席中継』1959年3月1日(日)~1959年11月8日(日) 『セフラお笑い劇場』1959年11月15日(日)~1960年9月25日(日) 『日曜お笑い劇場』1960年10月2日(日)~1976年3月21日(日) 『花月爆笑劇場』1976年4月10日(土)~1989年10月21日(土) 『よしもと新喜劇』1989年10月28日(土)~現在 なお、『花月爆笑劇場』はずっと土曜日の放映だったわけで
『マイナビウーマン』で、日本ダイエット健康協会理事で医学博士の永田孝行先生が次のように話していました。 あれ? TNヘルスプロジェクトの永田孝行って、日本ダイエット健康協会じゃなくて、日本ダイエットスペシャリスト協会の理事長のはずだけど、どうなってるんだろう? そう思って、このSuzieの記事を良く読んでみたところ、何とマイナビウーマンの『専門家に聞いた! 「頭を使うとダイエットになる」ってホント!?』(2013年7月31日)をコピペしたものだった。そりゃあ、2年近く前の記事をコピペしたんじゃ、肩書とか変わってて当然だ。実際、永田孝行は、遅くとも2014年5月には、日本ダイエット健康協会の理事職を離れている。 しかも、元記事では一応『専門家に聞いた!』なのに、Suzieの記事では『医学的に大間違いだと証明』になってるし。Suzieのこのコピペ記事のどこに「証明」が示されてるんだろ。
『「ECONOトリビア」QWERTY記事顚末記』の読者から、山田祥平の『スペースインベーダー襲来』(PC Watch、2016年12月16日)という記事を読んでみてほしい、との御連絡をいただいた。読んでみたのだが、TAITOのスペースインベーダーとは何の関係もなく、QWERTY配列に関するガセネタが無造作に書かれていた。 そもそもキーボードはタイプライターの時代からアームが絡まないようにということでQWERTY配列が決まったわけで、その不自然な配列に人間は自分で慣れるしかなかった過去がある。 『キーボード配列 QWERTYの謎』(NTT出版、2008年3月)にも書いたが、現在のQWERTY配列が現れた1882年時点でのタイプライターは、いわゆるアップストライク式であり、「アーム」などという機構を有しない。「アーム」を有するフロントストライク式タイプライターは、「Daugherty Visi
ネットサーフィンしていたところ、11月14日に開催された「個人番号カード・公的個人認証サービス等の利活用推進の在り方に関する懇談会」(第5回)の配付資料が公開されているのを見つけた。【資料5-2】の3ページ目に、図書館におけるマイキープラットフォーム利用のイメージ(案)があって と記されている。マイナンバー(原則として一生変わらない)ではなく、マイキー(5年ごとに更新)を使って、全国の図書館利用を可能にしようとするものだ。その意味では、SankeiBizの記事『複数図書館のカード集約 総務省、マイナンバー個人番号を活用』(2016年11月15日)は、どう考えてもタイトルがおかしい。 ただ、そもそも「複数枚の図書館利用カードがマイナンバーカード1枚で」と言われても、普通の人は、せいぜい2市町村の図書館(自宅の近くと職場の近く)を使うくらいだろう。私(安岡孝一)みたいに、日本全国の図書館を巡る
ネットサーフィンしていたところ、『最近の親が子供にDQNネーム・キラキラネームをつける理由とは?』(nanapi、2016年11月11日)という記事に出くわした。騎士(ないと)・明日(ともろ)・音(りずむ)・空(スカイ)・奏(メロディー)・花愛人(はあと)・英雄(ひーろー)・来桜(らら)・頼音(らいおん)という9種類の「キラキラネーム」を例に、最近の親が子供にキラキラネームをつける理由を述べているのだが、人名用漢字や漢字制限に対する妄想が垂れ流されていて、かなり閉口した。特に以下の部分。 思わずつけてしまう理由1:人名用漢字が増えた キラキラネームが付けられるようになった理由の一つに、使用できる人名用漢字が増えたことが挙げられるでしょう。人名用漢字に使えるのは常用漢字の一部だけだったのですが、2004年に約600字もの漢字が追加されました。これを機に「苺」や「雫」といった漢字が使えるように
拓本文字データベースのユーザから、『日本京都大学蔵中国歴代碑刻文字拓本』(全10巻)という書籍を教えていただいた。ざっとネットサーフィンしてみたところ、日本国内では六一書房と東方書店と亜東書店で売っているようだ。ただ、私(安岡孝一)個人は、この日本京都大学蔵中国歴代碑刻文字拓本編集委員会とやらに、全く見覚えがない。ウチの大学で数名(しかいない)の文字拓本研究者にもそれぞれ聞いてみたが、誰一人として、この委員会を知っている人がいなかった。つまり、京都大学の文字拓本研究者は、誰もこの本の編集・出版にかかわっていない。 というか、この本、出版元と目される新疆美術摂影出版社のページに載っていない。BooksChinaの新疆美術摂影出版社のページにも載っておらず、どうやらISBNもニセモノらしい。この画像を見る限り、『唐梁夫人墓誌銘蓋』『唐袁府君合祔墓誌銘蓋』『唐仁君墓誌銘蓋』『唐前藍田縣丞竇君夫人
韓国の教科書でよく使われている日本語式の漢字語や表現、外来語などが自然な韓国語に変更されることになった。これは、教育部(省に相当)が「現在取り組んでいる『2015改正教育課程』に基づく教科書は正しい国語(韓国語)を使用する質の高い教科書にする。これまで無分別に使われてきた日本語式漢字語などの整理を本格化する」と7日、明らかにしたものだ。 교과서에 자주 나오는 일본어 투 한자어와 표현, 외래어 등이 자연스러운 우리 말로 바뀐다. 교육부는 "지금 개발하는 '2015 개정 교육과정' 교과서를 올바른 국어를 사용하는 질 높은 교과서로 만들 것"이라며 "지금까지 무분별하게 사용해 온 일본어 투 한자어 등을 본격적으로 정리하겠다"고 7일 밝혔다. ほぼ同じ内容のようだ。まあ、할인(割引)を덜이に置き換えたり、의미(意味)を뜻に置き換えたりするのは、言語純化の立場とし
また、漢字とハングルを交ぜた名は許されていないので、この場合、名の残りの漢字も全てハングルに置き換えられることになります。 これに対し、2016年8月19日に「家族関係の登録等に関する法律」改正案(議案番号2001709)が韓国の国会に提出されたので、そのうち、漢字とハングルを交ぜた名前が許されるようになるのではないか、という御指摘をいただいた。 正直、難しいと思う。実は「家族関係の登録等に関する法律」に対しては、もういくつもの議員提案による改正案が出されているが、本会議まで漕ぎ着けた例を、私個人はほとんど知らないのだ。子の名づけに関しては、たとえば、4年前の2012年8月23日にも、子の名を最長5文字から最長10文字に伸ばす改正案(議案番号1901285)が提出されているが、審議未了で廃案になっている。今回の「贇별ちゃん法案」に関しても、MBNなどの報道はあったものの、その後まったく音沙
思うところあって、復帰前の沖縄の戸籍がどうだったのか、調べてみることにした。『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂、2011年3月)にも書いたが、沖縄の戸籍は正本・副本ともに、1945年までにほぼ全てが滅失してしまい、アメリカ軍政下、臨時戸籍のもとで各種手続がおこなわれていた。 1953年11月16日、琉球政府は立法第86号『戸籍整備法』を公布し、沖縄における戸籍の再製をおこなうこととした。ただし、これは新たな戸籍を作るのではなく、あくまで旧戸籍法(大正3年法律第26号)のもと滅失した戸籍を再製するのであって、「家」制度にもとづく三代戸籍の復活だった。1954年2月20日規則第15号で、戸籍整備法の施行期日は1954年3月1日と定められ、旧戸籍法による戸籍再製が大車輪でおこなわれた。 1956年12月31日、琉球政府は立法第87号『戸籍法』を公布し、翌日施行した。夫婦を単位とする新たな戸籍
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