「日本語処理」とタイトルについた専門書を読むと、だいたいが実例として機械翻訳システムが挙げられ、「形態素解析→構文解析→意味処理」という方向性が示される。 ところが、これではなんの説明にもなっていない。 「形態素解析」の「形態素」という言葉は、日本語処理関連の仕事をしている人の中でも、ごく一部の研究者肌の人にしか知られていない。私の造語だと思われていたこともある。 「文節」とか「主語」とか「述語」という言葉も理解している人はほとんどいない。こうなると、国語教育はなんの役に立っているのか、と腹が立ってくる。 大雑把に説明しておくと、「形態素解析」というのは「文を文節に分けること」で、「構文解析」というのは「文節の係り受けの関係を解決すること」だ。 で、文節の中には「述語」に類するものがあって、これが文の核になっている。これはもっぱら「受ける」側なのだが、「述語が、述語にかかる形」を「連用形」