東京信友(東京都新宿区)目覚まし時計といえばアラーム音がつきものだ。 だが東京信友(東京都新宿区)は、音の鳴らない目覚まし時計を開発。 当初の福祉器具としての枠を超えた展開を見せている。 ■耳の代わりに肌で感じる 音のない世界に生きる人のために──。福祉機器メーカーの東京信友は、主に聴覚障害者を助ける通信機器をつくっている。 齋藤勝社長は自身も聴覚障害者。従来の福祉機器には不便さを感じてきた。「音が聞こえない人でも安心して暮らせるようにしたい」。そんな気持ちから「音のない世界」を念頭に開発を進めてきた。 健常者向けの商品が音を使うなら、音に頼らなくても使えるものをつくる。まさに引き算の発想だ。 聴覚障害者用の福祉機器には、音の代わりに光で知らせる装置が少なくない。一般的に健常者は五感の中でも視覚と聴覚を主に使う。だから健常者の発想で開発した製品は、聴覚の代わりを視覚で補おうとする。 ところ