菅義偉首相の退陣表明に関連し、「首相の言葉が届かない」(4日付朝日新聞社説)など、菅氏の発信力の乏しさが大きな問題だと指摘する論調が目立ちます。「8・6」広島集会での原稿読み飛ばしも含め、「政治は言葉」だとして菅首相を批判する向きもあります(たとえば4日のTBS報道特集)。 たしかに菅氏の「言葉」には中身も力もありません。しかし「政治は言葉」だとして首相・政治家の欠点を強調するのは危険です。「雄弁」な政治家が危険なプロパガンダ―、ファシストであった例は内外に少なくありません。 「政治は言葉」ではなく、「政治は政策」です。どのような法律をつくり、政策を遂行したかです。 その視点から菅政権の1年間(2020年9月16日~)を振りかえれば、どうでしょうか。 後手後手のコロナ対策、とりわけ科学的の知見の軽視・無視、コロナ禍の東京オリ・パラの強行、日本学術会議の任命拒否がすぐ浮かびます。 もちろん、