ブックマーク / satochan8.hatenadiary.org (9)

  • また、東京の患者 - 精神科医の本音日記

    30歳位から東京のあちこちの病院で入退院を繰り返してた統合失調症の人。65歳になって、介護保険を使って、当院の近くの悪名高き某サ高住に退院してきた。担当医もこの辺で売りだし中の、自称・心療内科の往診専門医?の某先生。となれば面倒見れる訳はない。入所後2ヶ月で当院に救急搬送されてきた。意識障害、という触れ込みであったが、どうも栄養失調で眠剤中毒。当然すぐ回復したが、さて、退院後の行き場がない。サ高住はもう面倒みる気は全くないし、ケアマネも入院時の保証人もサ高住関係の人で、当院入院後は一回も会いにも来ない。東京の福祉(2011 8 27のブログで登場の、お墓の決まっている患者で関係した区のお隣の区。今度はお墓は決まってなかった)は、例によって「行き場を探してくれれば金は払う」という話。以前入院の諸病院は知らん顔。院長は「こういう患者の面倒もみるのが当院の良いところ」というポーズであるが、貧困

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    zu2 2014/05/22
  • 百歩譲って - 精神科医の本音日記

    統合失調症(50歳男)Iさんの口癖は、「百歩譲って」。彼は“某歌手が自分の詩を盗作して歌を作っている”という信念があり、毎日“謝罪の手紙がくるのでは”、と郵便受けを覗いている。彼は“どうしてこんな不正が通るのか、皆その事を知っているのに、自分はそこらじゅうで監視されている。先生も知っているのに”とぼやく。市役所や警察には年に1度位は欠かさずにモンクを言いに行き、先日は消費者センターにも行ったらしいが、何処に行っても「証拠がない」と言われるようだ。で、彼は先ず50歩譲る。“50歩譲って全部僕の考えすぎとしても、どうして皆は僕の苦痛を見て見ぬふりをするのか、同じ人間なのに”と世間に不満を漏らす。しかし、彼の偉大なのは、“まあ、そのうち僕が作ったと分かるから、その時祝福して貰えば良い”と、そこからもう50歩譲ることで世間を許してしまうことだ。そのもう50歩譲れるのは彼の妄想がそれだけ強力なせいな

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    zu2 2014/05/08
  • 退院促進の悲劇 - 精神科医の本音日記

    知りあいの民生委員のGさんの話。T精神科病院に入退院を繰り返してたA子さん50歳が、また退院したは良いが、近所でトラブルが頻回で、同居のダンナの母を虐待するなど苦情が多いので、ダンナと一緒に主治医のN先生に入院の相談に行ったら、逆に「このくらいの人は地域で面倒見なくては」と説教されたという。1週間後義母が転倒して硬膜下血腫で脳外に入院し、その数日後にA子さんが、夫婦げんかの時にダンナに殴られて、倒れた時に打ち所が悪くて死んでしまった。Gさんは近所の人と一緒に、A子さんの具合が悪かったことは情状酌量に値するはず、と嘆願書を提出したのだが、裁判ではA子さんの具合が悪かった事は少しも考慮されず、ダンナは死刑の判決で、末期の肝癌であったダンナの入院措置願いも却下され、ダンナは終始「全て自分の身の不徳の致す所」と言いながら、刑務所内で病死したという。Gさんは、入院を拒否したN先生に何のお咎めもないの

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    zu2 2014/05/02
  • 本年一例目 - 精神科医の本音日記

    毎年僕の患者で1,2例は自殺する。今年の1例目は、入院中の40歳のアル中だった。入院中にやられたのは初めてだから、ショックは大きかった。それも、こんなんで死ねるのか、と警察が疑う程巧妙で微細な仕掛けのベット上での首縊り。「人がその気になれば何時でも何処でも死ねる」ことは知っているつもりだったけど、これだけ上手に死なれると、悔しかった。まさか僕の病棟で、誰にもきづかれずにね。 うつではなかったハズだ。入院2ヶ月目で、でも前日にに退院は後1か月待ってくれと言われていたんだよね。子供が3人もいて、3番目はまだ1歳なのにね。入院した時は950もあったr-GTが120までになったのにね。 でも、回復しようのない依存だってのは分かってたから、退院した所で、近いウチまた飲み始めて、道静脈瘤が爆発して死んじゃう運命だったんだろうと予測はついてはいたんだよね。だから、「どうせ死ぬのなら家族に迷惑を掛け

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    zu2 2014/04/11
  • や・ら・れ・た!? - 精神科医の本音日記

    近所の開業医S先生から紹介された75歳男性。高血圧と糖尿とうつ病の既往があり、うつ病の再発で数年前に当院に入院した事もあるらしいが、その後はS先生がフォローしていた。家族は「両下肢に痛みを訴えはじめたら、精神科受診を指示された」と言ったていた。紹介状には「うつ病が再発したらしい、認知かも知れない」とのことであった。うつではなかったが、認知の精査をするつもりでとりあえず引き受けた。3日後に意識障害で救急搬送依頼で、「S先生には身体的には異常ないから精神科へ行け、と言われた」と。取り敢えず入院して貰ったらさあ大変。その後脳梗塞を繰り返すは両足は壊死になるはで、「典型的な動脈硬化の末期の状態」で、当院の身体科の諸先生に大変お世話になった。S先生はずっと、「動脈硬化は軽度で安定している」と説明していたらしく、それが「救急車で精神科に入院させられて、入院した途端に重度の動脈硬化になって、両足指は切断

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    zu2 2014/02/26
  • 地域<病院<刑務所 - 精神科医の本音日記

    79歳で統合失調症生活保護の患者。窃盗の常習犯で前科5犯。2年前に単身生活がいやになり、刑務所に入れば楽になると思って窃盗事件を起こしたが、不起訴になって自棄になり、酒のんで暴れて当院に入院してきた。皆でおだてて何とかサ高住(サービス付き高齢者住宅)に移ってもらったのが半年前。でもこのサ高住の評判が悪い。事(宅配)が不味い、掃除(ヘルパー)がおざなり、風呂(デイサービス)でゆっくり出来ない、など外来でこの頃不満が多く、今年になって入院を希望するようになった。「今の生活のほうが自由で良くはないか」と聞いてみたら、「老人には自由より事だ」、「今の生活は刑務所での生活より悲惨だ」などと言っていたが、つい最近、院長に「入院させてくれ」と直訴に行って、「入院させなきゃ又事件起こすぞ」と脅かしたらしい・・・。院長はウチの料理が美味しいと言われてまんざらでもない様子であったらしいが、サ高住のサービ

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    zu2 2014/02/17
  • 弁護士君やりたい放題 - 精神科医の本音日記

    同僚に聞いた話。<てんかん精神病の女性で両親死後の単身生活で服薬が不規則になり、自宅で発作を頻回に起こすようになり、発作後のもうろう状態が長引き、脱水や低栄養状態で救急搬送されることが繰りかえされるようになり、前回入院時は遠くに住む兄が保護者となって医療保護となり、服薬習慣を取り戻す為に長期入院となっていた。同僚は単身生活はムリではないかと人を説得中であったのだが、人はあくまで単身生活継続を希望していた。そこで現れたここらでは評判(患者さんたちの相談に親身に乗ってくれる)の人権派弁護士A君が登場し、兄に代わって人の後見人となってしまい、人の希望通りに退院させてしまった。で、退院後3か月して人は行方不明となり、その半年後自宅で死んでいるのが発見された。A君は反省していると思いきやさにあらずで、ある所で、「医療保護制度は必要ない」、「弁護士は人の希望を尊重するのが仕事」、「再入院を

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    zu2 2014/02/17
  • 手術は成功した? - 精神科医の本音日記

    先月3日に僕がコメントした、近藤先生がモンク言ってたその通りの例が僕の患者で起こった。65歳で単身生活中の統合失調症患者が健診で蛋白尿が出た。近所の病院で精査したら腎癌と判明し、検査地獄が始まった。人は手術は拒否していたが、あちこちで最新式の検査を受けさせられ、最後は某大学病院泌尿器科の手術大好きA先生が手術することになった(途中関与したB,C先生は手遅れで手術は意味ないと言っていた)。10時間を越える大手術となり、「癌はみな取った。手術は大成功」とA先生は豪語されたと言うが、翌日に肺血栓症となり、敢え無く死んでしまった。お別れのときにA先生は親族に「手術は成功しただけに残念」と言ったという。術後翌日に合併症で死んだのだから、「手術は失敗」が正常な判断だと思うのですけどね。精神病患者の措置入院に2人の指定医の同意が必要なように、手遅れ患者の手術にも2人の外科医の同意が必要ってのは如何でし

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    zu2 2014/01/30
  • スーパーサバイバーの話 - 精神科医の本音日記

    現在は会社重役をしている統合失調症55歳の人(当院通院歴25年で途中再発・再入院なし。ここ数年僕が診ている)に、病気との付き合い方の秘訣を聞いて見て、彼が話し始めてびっくりした。先ず、病識が全くない。彼は、自分は精神病ではないと信じていた。初発で入院させられたのは「闇の大王」の手下の医者に騙されたせいで、服薬・通院しないとその大王の仲間が脅かしにくるので、しかたなしに飲んでたら、そのうちに飲まないと寝れない身体に変えられてしまったので、仕方なしに飲んでいるのだという。さらに、「薬は毒だから適当に減らして飲んでいる」とか「医者は皆大王の仲間だから当の事は言わないようにしている」とか言いだし、幻聴も残っている事が判明した。僕がこれ以上話をさせるのが不安になった時、最後に彼は、「だから、秘訣は“自分の事は自分でやる事”ですね」と言って唐突に話が止まった。つまり彼は、現在も幻覚妄想状態で支離滅裂

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    zu2 2014/01/09
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