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私が現時点で考える、全脳アーキテクチャの見取り図について取り急ぎ説明します。 「脳の主要な器官の機能とモデル」のページでは 計算論的神経科学の分野において受け入れられている(と私が考えている)モデルを いくつか紹介しました。 このページではより踏み込んで、私が考える推測(speculation)について述べます。 私自身はここで述べる見取り図は全脳アーキテクチャの解明・実現にとって 非常に有用であると考えています。 批判・コメント・質問など歓迎いたします。 脳全体の目的 私は「脳全体の目的は報酬期待値最大化である」という指導原理(作業仮説)に 基づいて脳のリバースエンジニアリングを進めている。 この指導原理は、いまのところ私にとって非常に役立っている。 脳のアーキテクチャの候補を絞り込むのに大変役立つからである。 この指導原理に対しては様々な批判があり得る。 「脳は単一の目的関数の最適化で
脳を構成する主要な器官の計算論的モデルは 不完全ながらすでに出そろっています。 これらの器官がどう連携するのかを明らかにすれば、脳全体の機能を再現できるでしょう。 このページでは、脳の主要な器官の機能とモデルを簡単に説明します。 脊椎動物の脳は「奇跡のアーキテクチャ」 かつては哺乳類の脳とそれ以前の脊椎動物の脳はかなり異なっていると考えられていました。 しかし、最近の研究によると、魚類の脳でさえ、 哺乳類の大脳皮質、大脳基底核、海馬、小脳、扁桃体に対応する部位を持っているようです。 魚類は最初の脊椎動物としておよそ5億年前に出現しました。 脳の基本アーキテクチャはその時点ですでに完成し、 その後すべての脊椎動物が継承したということになります。 それは脊椎動物を地球上での繁栄に導いた 「奇跡のアーキテクチャ」と言えるかもしれません。 では、このアーキテクチャの特徴は何でしょうか? 私が最大の
「感情や欲求の正体は全くわかっていない」と 考えている人がけっこういるようですが、それはとんでもない間違いです。 神経科学の分野では情動は昔から重要な研究対象で、 いろいろなことがわかっています。 ただし、情動の神経科学的な知見と機械学習と進化論的解釈をからめた 解説はあまり見かけません。 これらの視点のどれか1つでも欠けていれば、 感情が不合理で不可解なものに感じられるのも無理はないでしょう。 以下に、感情と欲求の正体について、取り急ぎ極力簡単に 一部私見を交えて説明します。 概要: ・情動は動物が子孫をより確実に残すために作りこまれている機構である ・欲求の正体はその欲求に関連する快情動と不快情動である ・動物が不快情動を避け快情動を求めるのは強化学習の機構による ・条件刺激と情動を結びつける場所は扁桃体である ・抽象的な概念と情動が結びつくのは、大脳皮質から扁桃体への入力があるからで
「脳における思考の役割と その実現機構についての考察」 2013-05-14 産業技術総合研究所 一杉裕志 概要 • 思考に必要な機構についての考察 • 「セロトニン=思考中フラグ」仮説の提案 • 運動遮断、感覚遮断の機構についての考察 動物にとって思考とは? 「思考 - Wikipedia」 – 「広義には「心」が動くことそのものを言い、「内化 された心像・概念・言語を操作すること」である。」 – 「狭義には、何らかの目標達成や問題解決のた めに行う一連の情報処理を指し、思考する対象 の意味を理解しながら進められる認知的な行動 である。ここで思考が使う情報とは、記憶の中に 分布するホログラムと言える。そして思考は、組 織化された外部情報を成分要素とする内的なシ ミュレーションと定義される。これによって人間は 様々な予測を得る。」 http://ja.wikipedia.org/wiki/
脳とdeep learning のアーキテクチャには共通の特徴が多くありますが、 脳にはあるのに現在(2012年時点)の deep learning にはない重要な特徴もあります。 その中には deep learning の性能をさらに向上させる 有望なヒントが含まれているのではないかと思います。 そこで、大脳皮質と deep learning の類似点と相違点を簡単にまとめてみました。 特に「脳は上の層ほど発火がスパース」「脳はあまり深くなくむしろ横に広い」 「脳では領野ごとに強い個性がある」といった特徴は、 重要なのではないかと思います。 ◆ 大脳皮質に見られる「深いネットワーク」 大脳皮質の視覚野(腹側経路と背側経路)、聴覚野、体性感覚野、運動野には 「深いネットワーク」の構造が見られる。 これらの領域における主な領野の階層構造を [Felleman and Essen 1991]
福島第一原子力発電所におけるロボットオペレータの手記 - Warrior編 - 2011.6.11~7.3 (「言いたい放題*やりたい放題/ウェブリブログ」より転載) PackBot編 Warrior(ウォーリア) 作成日時 : 2011/06/16 20:15 本日は、米国iRobot社製のWarrior(ウォーリア)の操縦訓練をしました。 今日は基本的な操縦と、メンテの仕方でした。 瓦礫乗り越えもやってみました。 自重は250kgあり、今まで使っていたPacBotよりも6〜7倍の大きさです。 自力懸垂は可能です。 つまり垂直方向では、250kg以上の物を持ち上げる能力がある訳です。 通常での能力は、100kg位までは余裕だそうです。 モーメントが掛かりますからね。 人(一般的な体重の人)を乗せて走行する事も可能です。 重量がある分、段差乗り越え(瓦礫乗り越え)等では
脳の情報処理原理の解明の鍵となる技術が ベイジアンネットです。 しかし、大半の研究者は大脳皮質とベイジアンネットの鮮やかな対応について まだ知りません。 脳の情報処理原理に基づいた知能の高いロボットの実現に向け、 一人でも多くの神経科学者・計算機科学者に、 ベイジアンネットと大脳皮質の関係を知ってもらいたいと思います。 ベイジアンネットそのものについての質問 ベイジアンネットとは何ですか? ベイジアンネット(ベイジアンネットワーク 、 Bayesian network) とは、確率論に基づいた推論を効率的に行うための技術です。 脳の機能の1つである直観と似た働きをします。 ベイジアンネットは、複数の事象の間の因果関係をネットワーク構造で表現し、 同時に因果関係の強さを表す数値も記録したものです。 このように表現された「知識」を用いれば、得られた観測データに基づいて 様々な事象の確率を ベイ
脳と現状のコンピュータは、計算モデル、アーキテクチャ、 アルゴリズムなどいろいろな観点からみて違いがあります。 はたしてコンピュータの上で脳と同じ機能は実現できるのでしょうか。 実現を難しくする要因として何が考えられるでしょうか。 ◆計算モデルの違い 計算する機械を数学的に抽象化したものを計算モデルと呼びます。 チューリングマシンは計算モデルの1つです。 チューリングマシンとは数学的に異なる計算モデルとしては、 例えば非決定性チューリングマシン、 (理想的な)アナログコンピュータ、量子チューリングマシン (量子コンピュータのモデル)があります。 これらはチューリングマシンよりも強力だったり速かったりします。 さて、「脳の計算モデル」はチューリングマシンと等価でしょうか、 それともより強力だったり速かったりするのでしょうか。 非決定性チューリングマシンは並列度が無限の計算機です。 脳は超並列
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