心無いことを言う人たちが世の中にはたくさんいる。 例えば、わたしの誕生日を知ったある大人はこう言った。 「祝日だし、医療費高かっただろうね」 冗談なのだと思いたいが、 「親不孝だね」 とも言われた。 冗談にしては面白くなかったが、その人が笑っていたので、わたしも笑った。 わたしの誕生日は1月1日だ。 まるきり本気にした訳ではない。 それでも、その言葉は喉に引っかかった魚の小骨のように、小さな痛みと少しの罪悪感を連れてきた。 大人になってからも、その言葉は時々浮かんでは消えた。 成長と共に、言われた言葉だけが残り、変な痛みや罪悪感は消えていった。 ある日、父の晩酌に付き合いながら何の気なしに言ってみた。 「元旦は出産費用が高いから、親不孝者だって何人かに言われた事あるよ」 別に面白くはなかったが、わたしは笑いながら言った。 父はそれを聞いても笑わなかった。 面白くない冗談だったかなとバツの悪