「自分が理解できたことだけを書こう」 若いライターさんに、よくアドバイスする言葉です。誰かに取材をして、いろんな追加資料を読みあさって、ああでもないこうでもないと考えつくし、いよいよ原稿を書きはじめる。このとき書いていいのは「その人から聞いたこと」ではなく、「自分が理解できたこと」だけなんですね。 理由はおおきくふたつあります。 第一の理由は、「自分が理解できていないことを誰かに伝えるなんて、ましてやそれを理解してもらうなんて、無理に決まってるでしょ?」というシンプルなもの。これはまあ、割に納得してもらいやすい話だと思います。 もうひとつの理由は、「理解と共感はぜんぜんちがう」ということ。きょうの本題はこちらです。 取材相手の考え、発言、価値観について、共感できないことは当然あるでしょう。もちろん原稿を書くうえで取材相手に共感できればそれに越したことはないのですが、ライターにとっての「共感
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