世界不況の経済学 古典の思想家再注目2009年2月7日11時52分 印刷 ソーシャルブックマーク アダム・スミス ケインズ ハイエク スミス、ケインズにハイエク、シュンペーター、ガルブレイス――近現代の経済学・経済思想の泰斗が、このところ引っ張りだこの様相をみせている。100年に1度ともいわれる世界的な経済危機。打開のヒントを、遠ざけられがちだった古典に求める機運が高まっている。(藤生京子) 6万2千部。大阪大教授の堂目卓生さんは、昨年暮れ、サントリー学芸賞を受賞した自著『アダム・スミス』(中公新書)の反響の大きさに、驚きを隠さない。 スミス(1723〜90)といえば、一般には「見えざる手」で有名な『国富論』の著者として、自由放任主義の印象が強い。だが堂目さんは、スミスのもう一冊の著書『道徳感情論』から書き起こし、他者への「同感」を社会秩序の要と説く思想の上に、最下層の人々の幸福を念頭にお