発言が度々注目される鳩山邦夫前総務相は平成4年、文部(現文部科学)大臣時代に、大学入試センター試験に異論を唱えた。 歴史の試験問題を例にあげ、暗記しなくては解けないクイズのような問題があると批判し、記述式など各大学独自の選抜試験の充実を求めたのだ。 当時の鳩山文相は、偏差値で機械的に進路を決める業者テスト問題を強く批判し、廃止を打ち出していた。センター試験も「廃止」かと文相の本気度が注目されたが、突然の発言に驚いた文部省事務方は、基礎的な良問が練られていることを強調し、結局、「見直し検討」にとどまった。 センター試験に対しては、最近もノーベル賞受賞者の益川敏英氏ら科学者から「考える力を削(そ)ぐ」など、マークシート方式の限界に文系理系問わず批判が繰り返されている。鳩山氏の問題提起は、いまも解決できない課題だ。 鳩山氏の話を思い出したのは、自虐的な用語を子供たちが暗記している歴史教育の問題が