九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)は、計画から39年を経て昨年8月に諫早-長崎間が着工した。この区間がフル規格になったのは、長崎県とJR九州が、現在の計画で在来線を使う新鳥栖-武雄温泉間を将来、フル規格路線に格上げし九州新幹線鹿児島ルートや山陽新幹線と直結させたいとの思いがあるからに違いない。ところが、長崎県佐世保市は佐世保から博多までのフリーゲージトレインの乗り入れを求めており、長崎新幹線全区間がフル規格になったとしても、武雄温泉以東にフリーゲージトレインが入り込むという奇妙なことになる。なぜ、こんなことになったのか。その裏には、長崎新幹線誘致をめぐる長崎、佐世保両市の激しい相克があった。 九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の未着工区間だった諫早-長崎間(21キロ)の起工式が行われた平成24年8月18日。JR長崎駅近くのホテルで盛大に祝賀会が開かれた。 鏡割りでは、国土交通相(当時)