【北京=金順姫】中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)3号」が14日午後9時12分(日本時間同10時12分)ごろ、月面に着陸した。国営中国中央テレビが中継で伝えた。月面着陸は、旧ソ連による「ルナ24号」(1976年)以来37年ぶりで、旧ソ連、「アポロ計画」の米国に次いで3カ国目。 中国は2020年前後に独自の宇宙ステーションを建設する目標を掲げるなど、宇宙開発に力を入れている。経済や政治の大国化に加え、宇宙開発でも米国と競い合い、月着陸を「宇宙大国」となる足がかりとする考えだ。習近平(シーチンピン)政権には、国威発揚につなげる狙いがうかがえる。 嫦娥3号は重さ約140キロの無人探査車「玉兎号」を搭載。遠隔操作などで、約3カ月かけて地形や地質、資源の分布などを調べる。中国は将来的にウランやチタン、次世代の発電技術「核融合発電」の燃料となるヘリウム3の獲得を視野に入れており、その基礎データなどを