奈良県明日香村の国史跡・名勝「飛鳥京跡苑池(えんち)」(7世紀)で、「取ったら災いが起きる」という内容の警告文が刻まれた珍しい土器が見つかった。警告の目的ははっきりしないが、泥棒よけや寺の権威を示すために刻んだ可能性がある。11日から奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(同県橿原市)で始まる特別展で一般公開される。 同博物館によると、昨年度の発掘調査で見つかり、土器は口径12.3センチ、高さ3.1センチで7世紀末ごろに作られたらしい。器の外側に「川原寺坏莫取若取事有者□□相而和豆良皮牟毛乃叙−−」(□は判読不能)などと刻まれていた。「川原寺の坏(つき)であるから取るな。もし取ったら災いが起こるぞ」という内容で、漢字と万葉仮名で記されていた。 苑池は天皇の宮殿に付属する国内初の本格庭園で、外交使節らをもてなしたと考えられる場所。川原寺は飛鳥川を挟んで西側にあった、飛鳥寺などと並ぶ重要な寺院