伊藤忠商事は16日、4月1日から伊藤忠グループの企業理念を「三方よし」に改定すると発表した。近江商人の経営哲学として知られる「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」を理念として商いの原点に立ち返り、急激な経営環境の変化に対応するという。 伊藤忠創業者の初代伊藤忠兵衛氏(伊藤忠商事提供) 「三方よし」は、伊藤忠の創業者である初代伊藤忠兵衛が重んじた言葉とされ、売り手と買い手だけではなく、地域経済に貢献することで、経済活動が許されるという考えだ。持続的な企業価値の向上と、社会課題の解決を図るという現在の取り組みにつながっている。 現行の理念は、「豊かさを担う責任」で、1992年に策定した。改定は28年ぶり。広く知られた言葉を取り入れることで、グループの結束力を高める狙いもある。鈴木善久社長は年頭のあいさつで、「20年は三方よしの原点に立ち返る年にしたい」と述べていた。