【カイロ=蜘手美鶴】アフガニスタンで反政府武装勢力・タリバンが猛攻を続ける中、海外留学中のアフガン人学生が危機感を募らせている。教育を禁じたタリバン政権が2001年末に崩壊して以降、アフガンでは教育が再開し、エジプトの首都カイロにあるイスラム教スンニ派権威機関アズハルの付属大学には若者約300人が留学している。タリバンが支配地域を広げる現状に、学生からは「また教育が奪われる」と懸念の声が上がっている。 「なぜアフガンだけ何度もひどいことが起きるのか。私は何でアフガンに生まれたの?」。アズハル大で法律を学ぶララ・アブドラさん(22)が「戦争の日記」と呼ぶ小さな手帳には、1ページ目にこう書いてある。駐留米軍の8月末撤退を見据え、タリバンが侵攻を激化させた3週間前から日記を付け、友人や家族から聞いた現地の状況をつづっている。