「COBOLプログラム1万本、1000万ステップのバッチ処理をオープン環境へ移行したいのだが、実現できるか」。筆者の元には、メインフレーム上のプログラムを移行する相談がよく持ちかけられる。しかし、プログラムの本数はそれほど問題にならない。ネックになるのは独自技術で作られたアプリケーションだ。 ある大手製造業の例を紹介しよう。移行の対象となったのは、約30年前に構築され、現在まで利用され続けた基幹系システムだった。現在まで使い続けているといっても、現存するプログラムは初期の規模から比べるとごくわずか。1990年代から始まったオープン化の流れに伴って、プログラムは徐々にオープン系サーバーに構築したERP(統合基幹業務システム)などに切り出されていったからだ。 結果として、残っているプログラムは処理の規模に比べると大げさな開発実行環境上で稼働していた。大きな開発実行環境の割に小さなプログラム。ど