・読書論 大正昭和の経済学者で慶応義塾塾長や、天皇陛下の皇太子時代の家庭教師をつとめた小泉信三による読書論の古典。自身の学者人生を振り返り、読書の理想形、何を読むべきか、いかに読むべきかを語った。岩波新書の初版は1950年だ。 名言の連続であるが3つほど感銘したポイントを抜き出してみた。 1 大著を努力と忍耐で読め 「つとめて古典を読むこととともに、私はつとめて大著を読むことを勧めたい。名著は必ずしも大冊ならず、大冊は必ずしも名著でないが、しかしそれぞれの時代を制した名著の多くは大冊であり、そしてこれらの大冊に、偉大なる著者の創始と刻苦と精励とが体化されるのが常である。それを読むことによって、吾々は単にその書の内容を知るばかりでなく、辛苦耐忍、いわば格闘してものを学ぶという、貴重な体験を得るのである。読む本のページ数のみを数えて喜ぶのは無意義であるが、努力して大冊を征服することは、人生の勉
⇒アンチ春樹ストの私が村上春樹の凄さについて羅列してみるよ! - 国語の成績が悪い まあ、そういうのもあるけど。 村上春樹がほんとにすごいところは、韓国や中国に多数の読者を得ているとこだよ。 欧米で読まれているというなら、まあ、いわゆる優れた文学なんだけど。 村上春樹は実はアジアを変えてしまったこと。 あとついでにいうと。 いわゆる村上春樹的なイメージというのは初期の作品のテンプレになりがちだけど、春樹文学がずしんとし始めるのは、クロニクルのノモンハン事件を扱うあたりかな。 オウム事件と阪神大震災という歴史の、無意識的な暴力性みたいなのから、日本の近代史に潜む暴力性の本源みたいのを探ろうとしはじめたところ。 この根はワンダーランドのヤミクロとかにもあるし、ダンスにも見られるのだけど。そういうなんというか、ニューヨーカー的ないわゆるきれいな文学的な技巧をすてて、むしろ第三の新人のような、日本
MURAKAMI―龍と春樹の時代 (幻冬舎新書) 作者: 清水良典出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/09メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (29件) を見る かつて“W村上”などという呼び方をされた時期もあったが、龍のファンは春樹が苦手で、春樹のファンは龍が嫌いだったりすることが多い。しかし、二人の作品を時代ごとに対比させると、両者とも「アメリカ」「戦争」「セックス」「バブル経済」「崩壊の予兆」「十四歳」など、根っこの部分で驚くほどテーマがつながっていることがわかる。両MURAKAMIの物語によってあぶりだされた私たち自身の時代を振り返る、今までにない鮮烈な試み。 【目次】 第1章 反逆からの出発-一九七六‐一九八五(“アメリカ”の洗礼-『限りなく透明に近いブルー』VS.『風の歌を聴け』 日本という壁-『海の向こうで戦争が始まる』VS.『1973年のピンボ
「だめな奴は何をやってもだめ」という箴言は、国にもあてはまるのかもしれない。 すなわち、「だめな国は何をやってもだめ」。国家まるごと腐りきっており、大統領から警官まで賄賂と蓄財に勤しむ。国家経営は破綻し、令状のない逮捕、裁判のない拘留、嘘選挙がまかりとおる。行政機関は国家資本を強奪するために存在し、軍部の武器は国内に向けられている。 まず、資本が流出し、次に教育のある労働力が逃げ出す。大統領命令でお札を刷りまくり、「超」のつくハイパーインフレになる。援助は指導者の蓄財にまわされ、海外の銀行に貯め込まれる。社会資本として回転しないから、経済の発展もない(アフリカ最貧国の指導者の多くは、世界でも超富裕階級に属している)。 そして、外からの非難に対し、大統領は「レイシスト」だと反撃する。国家の荒廃は「元」宗主国の陰謀だと断じ、仮想敵をつくりだすことによって自分への不満をすりかえる。結果、部族間の
2024年8月16日(金) 環境フォト・コンテスト / プレジデント「第31回 環境フォト・コンテスト2025」へのご応募、ありがとうございました! 2024年1月15日(月) 環境フォト・コンテスト / プレジデント「第30回 環境フォト・コンテスト2024」入賞作品を発表! 2023年1月13日(金) プレジデント / 環境フォト・コンテスト「第29回 環境フォト・コンテスト2023」入賞作品を発表! 2022年1月14日(金) 環境フォト・コンテスト / プレジデント「第28回 環境フォト・コンテスト2022」入賞作品を発表! 2021年2月8日(月) プレジデント読者のみなさまへお知らせ 2021年2月8日 2021年1月8日(金) 環境フォト・コンテスト / プレジデント「第27回 環境フォト・コンテスト2021」入賞作品を発表! 2020年1月10日(金) 環境フォト・コンテス
おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154) 作者: 後藤和智出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/09/10メディア: 新書購入: 9人 クリック: 334回この商品を含むブログ (74件) を見る とんでもない本である。いや、これはすごい。読んでいて思わず笑い出してしまった。 後藤はこの本のなかで、現代を代表する若者論の論客を片っ端からつかまえ、まとめてなで斬りにしている。 その面子たるや、宮台真司、香山リカ、荷宮和子、三浦展、東浩紀、鈴木謙介、寺脇研、宇野常寛、と大物ばかり(宇野さんはちがうかもしれないけれど)。 ある時代に一世を風靡した論客が、次の時代には批判を浴びる。よくあることではある。しかし、ここまで大勢の書き手がいちどに否定される光景はなかなか見れるものではない。 論客たちの業績をひと言ふた言で否定しさるその舌鋒はめっぽう鋭く、そ
・pyo3さんの日記 http://d.hatena.ne.jp/pyon3/20050415 ほぼ同趣旨のカスタマー・レビューがアマゾンにも載っています。 >「かもしれない」と言われてもねぇ……。 だから、なんなのでしょう? その後、ちゃんと自分の意見を書いてくださいな。 > 「選択の自由」のためには、何かを選択しても懲罰も報奨されない制度が望ましい、というのは、正しい理念なのかもしれません。でも、実際の私たちの生活は、配偶者控除や児童手当や奨学金などの“報奨”を国から受けています。ヘンな理念に合わせるために、これらを全廃するなんて無理な話です。 「選択の自由」が、「正しい理念」なのか、「ヘンな理念」なのか、はっきりしてくださいよ。この短い文章の中でさえ、この人の意見は、矛盾している。 >増して、あんなにすったもんだして一段落した年金制度を「根底から変えるべき」とういのは、机上の空論に聞
――『子どもが減って何が悪いか!』、面白く読みました。今度の本は、バトルしてますね。統計の詐術を解き明かしながら、少子化をめぐる言説のトンデモぶりを見事に指摘した本ですが、文体の端々に怒りがにじみ出ていて、本気を感じました。 赤川 この本を書く経緯には、いろいろなことがありましたけど、素朴な違和感としては、働きながら保育所に子ども預けたり、旦那に育児してもらったりという女性が、実際に2人も3人も生んでいるのかと。いい悪いではなくて、そんなことはないわけですよね。 ――いてもすごく少数派ですよね。 赤川 ええ。当たり前に考えれば、女性が社会進出すると、少子化が進むし、事実もそうなっている。それでもいいじゃないかというのが本来のフェミニズムだと私は思うんです。だから、「子どもが減っても女性が社会進出することが大事だ」と正々堂々と言うべきところを、「女性が社会に出て仕事と子育てを両立すると、出
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いただきました. ありがとうございます. ネットワークの構成から冗長化, サーバのチューニング, デプロイの自動化まで, インフラや運用の話題を集めた本. 私は運用やインフラに素人なので, 内容の技術的正当性について特に意見はない. ただ動いてる実システムの解説という点で信憑性は担保してる気がする. ひたすらすげーなあ大変そうなだなあと読んだ. 特に TCP/IP より下, LAN カード (という表記が我ながら素人っぽい. 玄人ぶるには NIC と呼ぼうか...) より向こうは つい所与のものと考えてしまう. たまに仕事で必要になっても同僚に押しつけてるし. 実は色々やってるんだろうなと, なんとなく思っていた中身を垣間みた気分になる. NIC より手前の話もあるけれど, 個人的には ハブ(...というと素人っぽい. スイッチ.) や ルータやロードバランサの出てくる話が, 未知の世界で
→紀伊國屋書店で購入 「感情的啓蒙書という文学」 この本は痛快きわまりない。深夜に読んでいて、何度、不気味な高笑いをしたかわからない。著者は冒頭に「わたしの書き綴った内容が上手く読者諸氏へ伝わるなら、おそらく本書はきわめて後味の悪い読後感をもたらすだろう。決して爽快な気分にはなるまい」と記している。そうしてみると、わたしは筆者の意図をまったく理解していないのかもしれない。それでも痛快で、爽快ですらあると感じるのだからしょうがない。 ちなみに、本書のタイトルには異様な折衷が施されたとしか思えない。春日武彦流でありながらどこかそうではない気配がして、しかも明らかに異質な副題が付与されているからだ。本書は、実際のところ、「グロテスクな人々」について書かれたものにほかならない。 「グロテスクな人々」とは、本書のカバーに付された引用部分に代表されるような煽情的人々、「虎に喰われたかったのに熊に喰われ
現在のところ、あるまとまった知識を得ようと思ったらネットで検索するよりも本を読んだ方がコストパフォーマンスが高い。よくまとまっており、参考になる東大で学んだ卒業論文の書き方でも、本に比べれば断片的。 指導教員が信頼できない、研究のやり方がわからないなんてときはネットを検索するのを止めて、1万円を本に使いましょう。10時間検索したり、悩んだりすると考えれば1時間1,000円で悩みが解決されると思えば安い安い。 卒論の書き方が分からず途方にくれている。途方にくれていないけど漠然と不安だ。と言う方はこちらの2冊をおすすめ はじめての科学英語論文 2,500円+税 この本が良いところは、丁寧に説明してあるのも当然だけれども、英語での論文の書き方であること。理学系、工学系の論文は、そのフォーマットが英語論文に基づいているので、日本語的な発想からいろいろと外れていることが多い。よって、いきなり英語的発
このサイトは、いわゆる成功本を100冊読むことで、成功できるかを検証するページでした。 現在は、ビジネス書・自己啓発書・成功哲学・セミナーCD・手帳術・週末起業など 週刊東洋経済「最強の読書術」 書評ブロガーが著者に食事に招かれる について:[俺100]に続いて、 今週号(6月21日増大号)の週刊東洋経済は読書術の特集について。 さて、今回の特集では主にビジネス書の読書の達人の技を紹介しています。 それぞれ、私の印象に残ったところなど。 ●まずは、レバレッジ・リーディングでおなじみの本田直之さん レバレッジ・リーディング (レバレッジ・リーディングも雑誌と同じ東洋経済新報社から出てるのに、雑誌には表紙すら紹介されてない。中立を期すためなのかなんなのか。ブロガーにamazonにリンクをはる余地を残してくれてるのか!ツイてる!) メモを作るときの注意点は厳密にやろうとしないこと。レイアウトや文
2008年06月17日00:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 美味しい科学 - 書評 - 小学生のキッチンでおやつマジック 学研の「[123456]年の科学」を担当して20年、現在は「[345]年の科学」の編集長であられる川原様ならびに同社宣伝部の近藤様より献本御礼。 小学生のキッチンでおやつマジック 村上祥子 初出2008.06.16; 販売開始まで更新 私だけではなく、私の家族全員に目を通してもらったのだが、全員一致でこの夏のイチオシに決定! 本書「小学生のキッチンでおやつマジック」は、「台所の科学」であり、「食べられる科学」であり、そして「美味しい科学」である。 目次 - ショップ.学研 小学生のキッチンでおやつマジックにない代わりに編集者よりMailにて ■さとうのおやつマジック さとうに,たまごの黄身をたらすと,1時間後どうなる? キーウィにさとうをかけると,どうなる
2008年06月19日00:15 カテゴリ書評/画評/品評Love 「最初の講義」 - 書評 - 最後の授業 ランダムハウス講談社の常磐様より献本御礼。 最後の授業 Randy Pausch / Jeffrey Zaslow 矢羽野薫訳 [原著:The Last Lecture] あの講義が、早くも邦訳され、DVD付きの一冊となった。 だまされたと思って、いやだまされるために見ろ、そして読め! だまされればだまされるほど、感動と感謝が深まるから。 本書「最後の授業」は、Carnegie Mellon Universityの名物教授にして、末期の膵臓癌の Randy Pausch の最後の講義を、あらためて一冊の本にまとめ、DVDに収録したもの。この講義はすでにYouTube経由で2,500万人もの人々が目にしたという。 目次 - 最後の授業 - ぼくの命があるうちにより はじめに 第1章
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