あまり知られていない「本の予約・取り寄せシステム」をもっと活用してもらうための作家の呟きと、そこからの広がりや派生をまとめました。 出版不況の理由と流通の問題点についても触れています。 【2/13追記】画像ジェネレーター作成者の方がスマホ比率での画像生成ツールも作ってくださったので追記しました。 コメント欄に補足を書きこんだのでそちらもどうぞ。 続きを読む
《この記事は約 3 分で読めます(1分で600字計算)》 【お知らせ】いつも電子書籍検索サイト「hon.jp」をご利用いただきましてまことにありがとうございます。 さる10月1日、株式会社hon.jpの代表取締役社長塩崎泰三が急逝いたしました。生前はみなさまより格別なご厚情をいただきまして、まことにありがとうございました。ここに謹んでご報告申し上げますとともに、利用者のみなさまへの情報開示が遅れましたことをお詫びいたします。 この間hon.jp事業は、CTO藤井正尚と元代表取締役社長の落合早苗とで整理分担し運用してまいりました。平行してご遺族、株主、及びお取引先様の方がたと今後の事業継続について検討してまいりましたが、このたび継続は困難であるとの結論に至りました。株式会社hon.jpは2018年3月をもって廃業することが決まりました。 これにともない、電子書籍検索サイト「hon.jp」も2
結論: アマゾンの「バックオーダー発注」廃止は、流通改善に名目を借りた正味戦争の宣戦布告である。この戦争に敗北し、多くの出版社が個別直接取引(e託)に応じてアマゾンのみに特恵条件を与えることは、破壊的な状況をもたらす。 また、直接取引をしたところで流通が改善するという保証はない。アマゾン依存度が上がるほどに、苛烈な「ご提案」に逆らえない状態となる。 在庫ステータス管理の問題は、業界が抱えつづける課題ではあるが、このアマゾンの施策とはほぼ関係ない。 長くなってしまったので、結論を先に書いた。これに納得できた人は、この先は読まなくてもいい。そうでない人、「僕と契約してe託出版社になってよ」と囁く声に揺れている人に向けてこれを書く。 その提案書には、いくつもの重要な点が省かれているからだ。 取引正味の現状 現在、出版業界の正味標準は以下のようになっている。 出版社から取次への引渡
アマゾンジャパンは4月28日、日本出版販売(日販)が非在庫書籍を出版社から取り寄せる「日販バックオーダー発注」を6月30日で終了することを、出版社に通知した。これにより、一時的に売上機会減少のリスクがあるとしながら、出版社に対して同社との直接取引による商品供給を検討するよう求めている。 「日販バックオーダー発注」を終了したあとも、日販への新刊書籍発注や日販の在庫を仕入れる「日販スタンダード発注」、トーハンへのコミックス・雑誌の新刊発注は継続する。出版社に対して日販の在庫を増やすことと、直接取引を検討することを求めている。 通知の中で「日販バックオーダー発注」終了の理由について、アマゾンの発注に対する日販の在庫引当率が、日販非在庫書籍は「弊社が期待する数字を大幅に下回っている」ことから、日販と協議を続けてきたが「建設的な合意には至ることができなかった」とし、「日販バックオーダー発注」の継続が
講談社は3月9日、ユーザーオリジナルの電子書店を作れるWebサービス「じぶん書店」を4月にスタートすると発表した。同社が展開する電子書籍の中から売りたいタイトルを選び、推薦コメントを入れて販売。売り上げの10%がユーザー(書店オーナー)に専用コインで支払われるという。開設費は無料。 アフィリエイト機能を持つ、Webブラウザベースの電子書籍キュレーションサービス。書店オーナーが読んでいない書籍でも陳列可能で、利用者は書籍をSNSなどでシェアしたり、試し読みしたりできる。 陳列した電子書籍が売れると、売り上げの10%相当の専用コインを付与。電子書籍の購入のほか、他のポイントやマイルとの交換などに利用できる。 書店オーナーは最初に150点までの電子書籍を陳列可能で、それ以上を陳列する場合は専用コインを使って書店の拡張が必要になるという。 サービススタート時は、講談社で作品を出版している作家や、編
東京商工リサーチによると、2016年に倒産した書店は25件と前年比1.5倍に急増した。家族経営など小規模事業者の苦境が特に目立った。「ネットメディア浸透やオンライン販売、電子書籍の普及など市場環境が大きく変化し、書店経営の苦境を反映した」とみている。 15年の書店の倒産件数は15件だったが、16年は25件と2年連続で前年を上回った。倒産した書店の負債総額は52億9800万円(前年の1.5倍)。負債1億円未満が13件と過半数を占めている。 従業員数別で見ると5人未満が22件と前年(9件)の2.4倍に増えており、家族経営など小規模業者の倒産が際立った。 形態別では、破産が22件(前年比7割増、前年13件)と全体の約9割。再建型の民事再生法はゼロ(前年と同じ)で、一度業績不振に陥った書店は立て直しは難しいことが浮き彫りになった。 倒産の原因別では「販売不振」が17件(前年12件)と前年比4割増、
書籍や雑誌の配信停止が相次いでいるネット通販大手アマゾンの電子書籍の読み放題サービスで、大手出版社の小学館も写真集など170以上の作品の配信が停止されたことを明らかにしました。 会社では、「サービスに加入した読者に十分な対応ができておらず、著作者にも不安を与えている」などとして、アマゾン側に対応の改善を申し入れているいうことです。 これについてアマゾンの日本法人の広報担当者は、「他社の定額放題サービスと同じで、配信する作品は随時、変動する」としたうえで、「配信が停止された電子書籍は、定額ではないサービスで有料で読むことができる」と話しています。 配信停止の理由について両社は、「契約に関わり明らかに出来ない」としています。 アマゾンがことし8月に始めたこのサービスは、消費税込み月額980円で国内の書籍や雑誌など、およそ12万冊が読み放題になるとしていましたが、これまでに講談社や光文社などの出
マンガ専門書店『まんがの森』はそれからどうなったのか 企業・組織企業・組織のそれから Tweet 2016年10月02日 今でこそマンガやオタク系の商品を専門に扱う店は増えましたし、インターネット通販でもラクに購入出来ます。しかし一昔前、90年代やそれよりも前の時代はインターネットは一般家庭に存在すら見せておらず、オタクグッズどころかマンガをそれなりに揃えている店もほとんど存在しませんでした。 そんな時代、マンガ専門店としてマンガを求める人たちにとって有名だった店があります。その店の名前は『まんがの森』。東京周辺の主要駅付近に存在しており、特に現在の新宿駅南口近くの店舗が有名でした。 ■目次 ▶白夜書房系列のマンガ専門店「まんがの森」 ▶有害コミック運動あたりでの変化 ▶まんがの森新宿店の個人的思い出 ▶飯島愛のCM ▶2000年代に閉店相次ぐ ▶新宿店のあったところは今どうなっているか
株式会社トーハン(本社・東京都新宿区、代表取締役社長 藤井武彦)は、平成28 年5 月31 日開催の取締役会において、鹿島建設グループから、株式会社八重洲ブックセンター(本社・東京都中央区、代表取締役社長 吉野 裕二)の発行済株式の49.0%を譲り受けることについて決議し、同日、株式譲渡契約書及び株主間協定書を締結いたしました。 今後、八重洲ブックセンターにおいては、代表取締役をトーハンより派遣し運営していくこととなりましたのでお知らせいたします。 記 当事会社の概要 1.株式会社八重洲ブックセンター ・代表者 代表取締役社長 吉野 裕二 ・本社所在地 東京都中央区八重洲二丁目5 番1 号 ・設立 昭和52年7月4日 ・主な事業所 12 店舗(東京都、神奈川県、千葉県、栃木県) ・資本金 9,500 万円 ・業績 売上 59 億円(平
大型書店「紀伊国屋書店新宿南店」(東京都渋谷区)が7月下旬をめどに、売り場を大幅に縮小させ、事実上撤退する方針であることがわかった。計6フロア(約4千平方メートル)ある売り場のうち、6階のみを洋書専門店として残す。紀伊国屋は「ビルの所有者側と賃料交渉がまとまらなかった」としている。 紀伊国屋によると、新宿南店は、JR新宿駅新南口に近いタカシマヤタイムズスクエア南館に1996年10月オープン。当時、全国最大規模の大型書店として話題になった。現在は若者を主なターゲットにコミックを幅広く扱うなど、同駅東口に近い新宿本店との差別化を図ってきたが、客足が伸びなかった。オープンから20年を迎え、9月の契約満了を控えて交渉が続いていた。
帝国データバンクによると、首都圏で書店を展開する芳林堂書店が2月26日、東京地裁に自己破産を申し立て、破産手続き開始決定を受けた。負債は約20億円。事業は書泉に譲渡することで合意しているという。 同社は「芳林堂書店」「コミックプラザ」を都内4店舗、埼玉県5店舗、神奈川県1店舗で展開。2月に入って新刊・既刊が入荷しない状態になっており、主力仕入先である書籍取次の太洋社が自主廃業も想定して会社の全資産の精査などを進める方針を明らかにしたことで、動向が注目されていた。 同社は戦後に古本販売で創業し、1948年に法人化。71年にはJR池袋駅西口に芳林堂ビルを建設し、旗艦店として池袋本店をオープン。99年8月期の売上高は約70億5000万円だった。 だが出版不況や競合大型店の出店から売り上げが減少。2003年には同社のシンボルだった池袋本店を閉店し、翌年にはビルも売却。15年8月期の売上高は約35億
秋葉原駅前にあるマニアックすぎる大型書店「書泉ブックタワー」。 1948年の創業から、「趣味人ご用達」を標榜する名物書店で、2011年にはアニメイトグループ傘下に入り、なお独自の路線を突き進んでいます。 インターネットの台頭によって“町の本屋”が次々と閉店している時代に、生き残るために必要な力は何なのか?あのワケのわからない品揃えには何か意図があるのか?秋葉原ではやっぱり漫画やラノベが売れるのか?話を聞いてきました。 こんにちは! ジモコロライターのギャラクシーです。 今日は秋葉原駅前にあるマニアックすぎる大型書店「書泉ブックタワー」に来ております。 書泉と言えば1948年の創業から、「趣味人ご用達」を標榜する名物書店。2011年にアニメイトグループ傘下に入り、なお独自の路線を突き進んでいます。 世間ではネットの台頭によって“町の本屋さん”が次々と閉店していると言われていますが、この厳しい
村山早紀 Saki Murayama @nekoko24 「好きな書店さんがある場合、新刊は予約してね」とお願いする理由、前にも確かツイートしたので、耳たこかもですが。小さい書店さんの場合、新刊を並べたくても希望の数入らないことがあります。でもお客様から早い時期に予約があれば、その数は入荷します。だから、もし応援したいお店があれば、(続 2015-10-18 22:25:51 村山早紀 Saki Murayama @nekoko24 続)好きなお店があれば、早めに新刊は予約してあげてほしいのです。私の本に限らず。そしてね、あなたのした一冊の予約が、そのときの笑顔が、そのお店の書店員さんの心を明るくしたり、元気づけたりするかもしれません。本が売れない時代ですからね。そして書店にいるのは本が好きな人たちですから。 2015-10-18 22:30:59
書店内で平積み本や棚を撮影するのはOK? わからないので直接聞いてみました 2015.10.21 更新日:2020.07.19 その他 書籍, ライターの販促 Facebookやtwitterなどで書店内を撮影した写真をよく見かけます。目的は「友人の本が平積みになっていました」「○○書店でも並んでいました」など、本の中身ではなく「あったよ! 売れているよ!」というお知らせがほとんど。私も取材ライターとして書籍に関わることが増えたのでこういった紹介に興味があるのですが、はたして本屋さんとしてはどこまでOKなのか…? どうせ実行するならルール内で行いたいもの。何がOKで何がダメなのか、線引きを明確にしたかったので直接大手書店チェーンに聞いてみることにしました。 ※写真は実家の棚 店舗ではなく、本部に直接聞く ■お聞きした書店チェーン 今回聞いてみたのは、独断と偏見で選んだ首都圏の主要書店チェー
書店が地域に1軒もない「本屋ゼロ」の市町村が、全国300以上に上っている。出版不況に加え、ネット書店が台頭、昨年4月に消費税が上がり、出版物に軽減税率が適用されていないことも大きい。書店のない街、そして個性的な書店のある街を訪ね、本の世界を考える一冊を探した。 東京・秋葉原と茨城・つくばを結ぶつくばエクスプレス開業後、首都圏のベッドタウンとして人気の茨城県つくばみらい市。平成の大合併で同市が発足した2006年当初、4万1000人だった人口は、5万人突破目前だ。 しかし、ここは市として関東で唯一の「本屋ゼロ」自治体である。「子どものころは公園で遊び、暑いと本屋で涼めたのに……」と、同市在住の公務員女性(27)は語る。国道沿いの本屋が撤退し、雑誌や本は近くの守谷市やつくば市で買う。「車がある大人は困らないけれど、子どもは本屋でふらっと本を手に取れません」 <私たちは大いに危惧しています。子ども
9月1日(火)10時40分、東京・神保町にある「書泉ブックマート」が2015年9月30日(水)をもって閉店することがわかった。長年愛されてきたコミックの聖地がなくなることに、アキバ界隈でも激震が走っている。 イベント会場としても重宝 神保町駅からほど近い「神田すずらん通り書店街」に位置する本店舗は、2014年春より「女性向け店舗」としてリニューアルオープンし、少年漫画や女性向けコミック、ライトノベルを豊富に取り扱い、サイン会などのイベントなども開催していた。女性客がメインとなっているが、リニューアル前にはカルチャー系雑誌や単行本なども取扱い、現在とは別の客層が大勢利用していたこともあるだけに、今回の閉店が惜しまれる。 跡地がどうなるかは現時点では不明 お店に問い合わせしたところ、「ご注文されていた書籍は書泉ブックタワー、書泉グランデで引き継いでまいりますので、どうか宜しくお願い致します。ま
紀伊国屋書店が8月21日、「インターネット書店への対抗策」として、村上春樹氏の著書の初版10万冊の9割を出版社から直接買い取り、自社店舗のほか他社の書店に限定して供給する、と発表したことは、日本の書籍流通における歴史に画期を成す出来事と言える。それは栗田出版販売の倒産に続く、日本的流通の自壊における里程標を示すものだ。 紀伊國屋書店の「宮廷クーデター」 俗受けする衣装を纏ってはいるが「敵」がアマゾンでなく、取次制であることは明白だ。紀伊國屋は取次不要を宣言したのだ。それが「今回のような儲かりそうな本に関しては」という商売優先の限定付なのか、それとも「日本にはもはやそうしたものは不要である」という新秩序のビジョンをもったものかは分からない。たぶん同じことだろう。 第1に、これは大手書店が(既存の取次をスルーして)DNP=大手印刷会社と組んで買切り・直仕入を行い、他の書店への再販売も行うという
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