海上保安庁の職員が乗り込み、巡視艇にえい航される不審船(右)=島根県隠岐の島町沖で2012年1月6日午後4時47分、本社機から幾島健太郎撮影 島根県の隠岐諸島沖で見つかった北朝鮮の漂流船の男性乗組員3人が、「昨年12月12日に漁のため出港した。将軍様(金正日<キム・ジョンイル>総書記)が亡くなったのも(保護されるまで)知らなかった」と事情聴取した海上保安庁に話していることが、関係者への取材で分かった。 同庁によると、3人は漁の途中でエンジンが故障して漂流したと説明。乗っていた木造船にはGPS(全地球測位システム)はあったが、漁具はなかった。金総書記の死去が北朝鮮の国営メディアで発表されたのは12月19日だった。 保護された3人は帰国を希望しているとされ、同庁は8日も鳥取県境港市沖に停泊している巡視船内で事情を聴いた。