元気で明るく、優しさに満ちあふれた三浦愛來ちゃん(右)を、父の拓さん(左)と妻の彰子さんは「くーちゃん」と呼んで大切に育てた=家族提供 「最愛の娘を亡くしたのは、自分の無知と誤った判断のせいです」。西日本に住む三浦拓(ひらく)さん(46)は数年前、長女の愛來(あいく)ちゃんが病に倒れ、5歳でその生涯を閉じることとなった責任を一身に負う。 そして彼は、妻の彰子さん(43)とともに、愛來ちゃんの臓器を脳死下で提供する道を選んだ。 絶望の中、一家でもがき苦しんだ日々は「もう誰にも経験してほしくない」。その一方で、臓器移植が持つ大きな可能性も知った。だからこそ、拓さんはその重要性を訴える。それは、愛來ちゃんの「夢」を実現させることにつながるからだ。 愛來ちゃんの人生と、のこされて“十字架”を背負い続ける拓さんは、社会に問いかける。「万が一」に備えて何をすべきかを。そして、愛する家族にその「万が一」