佐藤肇先生の『位相幾何』(岩波書店)の冒頭にはこう書かれています。 「位相幾何は、つながっているか、離れているかという本質的な違いのみを見つけていろいろな図形を分類する。 図形の穴の数を1コ、2コと数えるのは一つの表現であろう。また穴とは何で、穴の数はどのように数えられるものであろうか。実は、それを数学的に説明するのがホモトピー群、ホモロジー群、コホモロジー群であり、さらに図形の曲がり具合の程度を表すのが特性類である。直感的にいえば、i次元のホモトピー群は、i次元の“丸い穴”の様子を見ており、i次元のホモロジー群は、i次元の“部屋”の数を調べているということができるであろう。」 位相幾何の入門でまず勉強するのはホモロジーと基本群ですね。基本群はホモトピーの1次元版です。つまり基本群をさらに高次元化したものがホモトピー群です。 位相幾何は微分幾何などではとらえきれない、連続性や穴を調べる学問