東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の被災3県の高校生らを対象に、企業が相次いで創設した奨学金が進学を後押ししている。返済の必要がないのが特徴で、大学など進学先の入学金や授業料を全額支給するところもある。震災発生から間もなく1年8カ月。高校3年生も来春の進路決定が迫るが、担当者らは「被災地の未来を支えるには教育が必要。子供たちに夢を捨てないでほしい」と応募を呼び掛けている。【石丸整】 公益財団法人「みちのく未来基金」(仙台市)は、食品大手のカゴメとカルビー、医薬品メーカーのロート製薬の3社で設立された。大学など希望校に合格すると年間300万円を上限に進学費用を支給する。今春は96人に支給。現在も122人が奨学金の「内定」を得て受験勉強に励む。進学を希望する高校生の目標をかなえるのが狙いだ。 奨学金の多くは、企業が資金を出している。三菱東京UFJ銀行は20億円▽ローソン4億円▽家