マスクメーカーが過剰在庫に苦しんでいる。今年6月末のメーカー在庫が、前年同月に比べ約13倍に膨れあがったことが20日、全国マスク工業会の調べで分かった。新型インフルエンザの流行の収束や、家庭内備蓄が進んだためだ。在庫の多くは大人用とみられることから、小林製薬などメーカー各社は、販売好調を維持している子供用マスクの拡充や生産強化で、大人向けの需要低迷を乗り切りたい考えだ。 同工業会によると、6月末のメーカー在庫は、前年同月に比べ12.59倍の14億5799万枚だった。4〜6月の生産(輸入含む)は前年同期比63%減の2億7327万枚と、大幅に落ち込んでいる。 マスクは新型インフルの感染が拡大した昨春以降、店頭で品薄が続いていたが、各社の増産や新規参入が相次ぎ、メーカー在庫は一転して膨らんだ。家庭内備蓄も進んだほか、今年は花粉の飛散量が少なかったことも販売に影を落とした。小売り大手などがプラ