【モスクワ=星井麻紀】ロシアで06年10月、当時のプーチン政権を批判したリベラル派ロシア紙「ノーバヤ・ガゼータ」の記者アンナ・ポリトコフスカヤさんが射殺された事件の裁判で、モスクワ管区軍事裁判所20日、被告3人に無罪を言い渡した。 インタファクス通信などによると、起訴されていたのは殺害計画を立てたとする元内務省職員と見張り役ら。同裁判所陪審団は19日、証拠不十分として無罪の評決を出していた。 捜査当局は10人を拘束したが、次々に釈放したうえ、実行犯とされる人物は国外逃亡し、殺害を依頼した黒幕の存在も明らかにならないまま裁判は昨年11月に始まった。遺族側の弁護士は「私たちは必ず真犯人に到達してみせる」と語った。 ポリトコフスカヤさんがチェチェン問題でプーチン政権を追及していたことから、言論の自由圧殺の象徴として西側メディアの批判を浴びていた。