なされるがまま、美味しい料理とアルコールに身を任せたい。視線には、夜景と彼女の横顔だけでいい。そんな欲望に、毎夜煩悶しているあなた。そして、流行のラウンジバーは音楽が邪魔してどうも、という音嫌いのあなた。訪れてほしいのが、麻布十番『ばんげ』 のソファー席である。 ネオンの照明が騒々しい街路から一歩踏み込むと、虫の響や木々の葉音が聞こえてくる。2階に上がり奥行きのあるローソファーにゴロンと身を投げ出せば、目の前には光と閑寂な都会の日本庭園が織りなす低層夜景が広がる。そのずっと向こうには、この世界観を壊さぬよう控えめに光る東京タワーが見える。 『ばんげ』 のソファー席は、ゆったり3組が座れそうな長いローソファーがひとつと個室ではないが通路を挟み大きな大木のオブジェで死角効果を狙ったL字型のローソファーがひとつ。