毎週のように満杯になるゴミ袋。買っては捨て、また買うという大量生産&消費の生活に、私たちはいつから慣れてしまったのだろう。ゴミがほとんど出ない循環型の暮らしを営んでいたひと昔前、人々は布や竹といったサステナブルな素材に囲まれ、家屋も多くは木造だった。その当時の貴重な家やモノが今、日本から急速に姿を消そうとしている。 「お金があればモノが買える。壊れても、修理するより安く新しいモノが買えてしまう。そもそも長く使いたいモノを買わなくなってしまった。価値とコストのバランスが崩れているところに問題があると思います」 と語るのは、空間デザイナーでReBuilding Center JAPAN代表取締役の東野唯史(あずの・ただふみ)さん。 日本がバブル全盛期に向かっていた1984年の生まれだが、戦前や高度経済成長期前の素朴な生活の手触りを知っている。デザインの仕事を通して、自分の祖父母より年長の古材や