恐らく「子育てゲームかな?」、「着せ替え人形みたいなゲームでは?」などと見当を付けたのではないかと思います。 はい、そうした予測は正しいですね。ただ一点、この子供が“ナチスドイツ兵士の子供”という点を除けば、ですが。 この『My Child Lebensborn』は、欧州各地に実際にナチスドイツが設置した「レーベンスボルン」と呼ばれる福祉施設で生まれた孤児を、プレイヤーが養子として引き取り、育てるゲームです。 舞台は戦後間もないノルウェー。戦時中にナチスドイツにより支配された過去によって、国中がナチスドイツに関係するすべてに強い嫌悪感を抱いていた時代です。 そんななか、ナチス党員とノルウェー女性を交配させるための施設であったレーベンスボルンはとくに嫌悪され、そこで生まれた子供もほぼ例外なく迫害されました。 レーベンスボルンで生まれた子供の洗礼の様子 ※レーベンスボルン……1930年代から、
「ジャーナリズムは歴史の最初の草稿( ” Jouranalism is the first rough draft of history ” )」ということわざがあるという。本書は、1920年代から1941年にかけてのドイツでナチスの台頭という時代の激動に直面したアメリカ人のジャーナリスト、外交官、学者とその家族の様々な記録や証言、すなわち「歴史の最初の草稿」を元に、「ヒトラーランド」と化していくドイツの様子を描き出した一冊である。 同時代に何が起こっているのか、客観的に観察し判断することはとてもむずかしい。当時、ドイツを訪れたアメリカ人たちも同様で、「ドイツでなにが起こっているのか、そしてヒトラーがどこを目指しているのかについての解釈は、人によって大きく異なっていた」(P12)。中には非常に鋭い洞察力でヒトラーとナチスの危険性を的確に理解した者もいるが、支離滅裂なことを言うただの道化でし
ドイツ・ドレスデンの高齢者介護施設「アレクサ」内にある1960年代を再現した「メモリールーム」で、旧東独時代のケーキを作る入所者ら(2017年6月14日撮影)。(c)AFP/TOBIAS SCHWARZ 【9月10日 AFP】ドイツ東部ドレスデン(Dresden)の高齢者介護施設に入所しているマルギット・ヒキシュ(Margit Hikisch)さん(88)は、旧東ドイツの共産主義指導者として強硬路線を貫いたエーリッヒ・ホーネッカー(Erich Honecker)はもちろん、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)さえ鮮明に記憶している。だがアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)が誰かについては、どうしても確信が持てない。 民間介護施設「アレクサ(Alexa)」では認知症治療の一環として、ドイツ史の断片を再現するという斬新な取り組みを行っている。 1960~70年代の旧東独時
R.ヴァイツゼッカー 「荒れ野の四〇年」 1985年5月8日、ドイツ連邦議会演説 所収:R.ヴァイツゼッカー(1995)『ヴァイツゼッカー大統領演説集』(永井清彦編訳)岩波書店、pp.3-28 「一九八五年五月八日、国会で行われた、全世界であまりにも有名になった演説である。この年、敗戦から四〇年というので西ドイッでは第二次大戦とその結果をどうとらえるかで甲論乙駁の議論が進んでいた。ナチズムの過去をどう評価するのか、敗戦はナチズムの暴力支配からの解放とみなすべきか、などの問題をめぐる論議である。さまざまな意見がだされるなか、アメリカのレーガン大統領が訪れようとしていたドイツ兵の墓地にSS隊員の墓もあることが判明して世論はさらに沸騰した。大統領の演説はそうした背景をもつ。ヴァイッゼッカーは、この演説の「赦し」の概念については八九年にアメリカ・ユニオン神学校での講演で神学の視点から詳論しており、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く