【ジュネーブ澤田克己】南アフリカで01年に開かれた世界人種差別撤廃会議の再検討会議が20日、国連欧州本部で始まった。人種や宗教などによる差別との決別をめざす会議だが、イスラエル非難を含んだ文書の採択に反対する欧米先進国など9カ国がボイコット。さらにイランのアフマディネジャド大統領が演説でイスラエルを批判し、西側諸国が途中退席するなど波乱の幕開けとなった。 会期は24日までで、今後の取り組みなどをまとめた「成果文書」を最終日に採択する。 事前調整が行われた文書案には当初、イスラム諸国の要求で、イスラエル非難や「宗教への中傷」禁止という条項が入っていた。このため、イスラエルとカナダ、イタリアが早期に不参加を表明。米国も準備作業から撤退していたが、オバマ政権発足後の2月に「納得できる文書になるなら参加する」と姿勢を軟化させた。 その後、イスラエルによるパレスチナ占領を「国際人道法違反だ」と断じる