小野善康氏の『不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ』を読んだ。菅直人首相のブレーンとか言われていた時分はまるで食指が動かなかったのだけれども、流行りが廃れたら読みたくなったのだ。ただの天邪鬼である。 小野氏の著作を読むのは初めてだし、いわゆる「小野理論」についてはネットのあちこちで見聞した程度のことしか知らない。だから、以下は一素人の素朴な感想文にすぎないことをあらかじめおことわりしておく(いつだってそうなんですけどね)。 さて、小野氏の議論のキモを乱暴に要約すると、「非自発的失業が存在するのは資源の無駄だから、公共投資で失業者を雇って経済全体の効率を上げろ」ということになる。また、需給ギャップと失業率、失業率とインフレ率とのあいだにそれぞれ関係があることを踏まえれば、失業率を下げることでデフレを緩和させることができる、というわけだ。 ここでデフレ脱却ではなく、あ
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