日本が問われる知的生産性の低下 / 記事一覧 バブル崩壊後の日本経済の低迷の原因を考える上で、日本の基幹産業である、ものづくりにおけるイノベーションの変化を考えることは重要である。そこで見えてくるのは、日本の知的生産性低下の問題である。こういった問題を見る限り、日本経済の長期低迷は構造的なものであり、マクロ経済政策のミスといった問題とは無縁の深刻な問題なように思われる。 現状認識 「日本のものづくり、競争力基盤の変遷」(湊徹雄著、日本経済新聞社)によれば、90年まで日本企業の特徴である企業系列、そしてそこでの摺り合わせにより、海外企業より優れた生産システムを構築していたため、日本のモノづくりは圧倒的に優位な品質、生産性を持っていた。しかし、その後、情報技術の進歩により、3D-ICT(3-dimensional Information Communucation Technology)に