高齢者が口にする「はよ、死にたいわ」の真実 私は京都の医師で、人生の最終段階の状態にある方々の訪問診療をしております。 日々、患者さんの元をお訪ねしていますが、その折、療養中の患者さんからしばしばこんな声が聞こえてきます。 「はよ、死にたいわ……」 ご高齢の方は、元気であっても半ば冗談のようにこの言葉を口に出されることもありますが、人生の最終段階にある患者さんが話すこの一言は、「生きていることがつらい」の裏返しでもあろうと思います。体調がよければこんな言葉も出ないわけですし、この言葉が出るときは体調が悪くて生きていることがつらく感じられている……と認識しています。 まずは体調についておうかがいして、いくらかでも改善する算段もしなくてはいけませんが、並行してこのようなお気持ちを受け止めることが大切だと思います。 「まあ、“その日”は今日じゃなくてもいいと思うけれど……」と私は言いながらも「は