超能力分析から不老不死まで、「マッドサイエンス」などとも呼ばれる研究がある。だが世界では、既存の常識に反するテーマに真剣に取り組む研究者が想像以上にいる。その中には現実味を帯び、思わぬ応用先が見つかるケースも少なくない。 「我が国初!浙江大学の“黒科技”で、70代の四肢まひ患者が『念力』で飲み物を飲む」──。1月、中国の現地メディアからこんなニュースが伝えられた。 2年前に交通事故で首を痛め、完全四肢まひの状態にある72歳の男性が、浙江大学が開発した最新技術によって、今では「念力」でコーラを飲み、中国式揚げパンを食べられるようになり、いずれはマージャンもできるようになる。これがニュースの骨子だ。 タイトルで使われた「黒科技」とは、日本の人気SF『フルメタル・パニック!』(中国語タイトル『全金属狂潮』)に登場するブラックテクノロジー(現在の科学技術の水準を超えた根拠のない、自然原理に反した技